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離れた場所でも大きな地震があると自分たちがいる地域でも起きないか不安になってきます。能登半島地震をきっかけに関心が高まっているのが”南海トラフ地震”です。

これは静岡県から九州にかけての海底にある南海トラフという地形が動くことで起きます。西日本から東日本の太平洋側で最大震度7の強い揺れや10メートルを超える津波など広い範囲で大きな被害が予想されているのです。

おもに南西諸島の地震について研究している琉球大学の中村衛教授に能登半島地震のメカニズム、そして沖縄で今後起こりうる地震について話を聞いてきました。

琉球大学中村衛教授「能登半島はいわゆる半島で三方が海だから助けようとすると一方向しかない。沖縄の場合は四方が海だから何かあった際には自分たちでやらないといけない他からの救助活動も非常に大変になる」

中村教授が注目したのは能登半島と沖縄の地理的な共通点です。救助の手が届きにくい状況になった能登半島地震と沖縄で起こりうる地震を重ね合わせた上で警戒すべきは”沖縄直下地震”だと考えています。

琉球大学中村衛教授「石垣島だと1958年に起きている。宮古島から石垣・西表まで震度5以上の揺れ。沖縄の場合には広範囲で大きい揺れになるので沖縄本島だと名護から那覇まで同じような被害になる。100年前には大きい地震があったがそれから100年くらい何もないので過去の記録を見ると100年に2~3回は大きい揺れにあっているからそういう意味ではいつ起こってもいい状態になっている」

そして能登半島地震のきっかけになったと考えられているある存在を明かします。

琉球大学中村衛教授「能登半島地震で最近起きていたのは群発地震。その成因として流体が関わっていただろうと言われている。流体が下から上がってきて断層に入って小さい地震を頻繁に起こした」

能登半島地震を知り備える

VTRにあったお話はマグマやガスを含んでいる地下水”流体”が断層に入り込み能登半島地震を引き起こすきっかけになった可能性があるということでした。沖縄直下地震への心配もある中でこの資料は沖縄総合事務局がまとめた南海トラフ地震で想定されている県内の被害を記したものです。

実は県内での具体的な震度は書かれていませんが、沿岸の広い範囲に津波が押し寄せることが明記されています。沖縄では最大で5メートルが予想されているのです。

「名護市・糸満市・豊見城市・うるま市・宮古島市・南城市・国頭村・東村与那原町・渡嘉敷村・座間味村・南大東村・北大東村・伊平屋村・八重瀬町多良間村」

こちらの16の市町村は3メートル以上の津波が想定されているとして政府が”推進地域”に指定しています。大きな地震に特に備えなければいけない地域といえます。

続いては…いざという時に備える糸満市を取材してきました。

海抜およそ30メートルの場所にある糸満市の米須小学校。災害の時には体育館が地域の避難所に指定されています。さらにこんな場所も。

能登半島地震を知り備える

糸満市役所大城啓太さん「こちらが米須小学校の備蓄倉庫」

人口が6万人を超える糸満市ではおよそ3千人分の3日分にあたる食料や飲料水などあわせて2万7千食を市内12カ所に備蓄しています。この倉庫にあるのは1200の食料と2400本の水、さらに外国人向けのハラール食も600食が置かれています。

糸満市役所大城啓太さん「食事とか最低限必要なものが届かない可能性があるので行政で備蓄はしておこうと。海抜の高い小中学校を選んで配置している」

それでも行政にできる備えには限りがあるためそれぞれの家庭で少なくとも1週間程度の食料を確保しておくことが重要だと考えています。

糸満市役所大城啓太さん「沖縄も地震は起きている方で全国的にも規模が大きいのがないだけでいつか必ず来るということを常に準備して、家庭内で話をしたり事業所内でどこに逃げようかとかどういうものが必要かという話をするだけでも防災の考え方や意識は高まると思う」