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沖縄の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」のコーナーです。案内は動物写真家の湊 和雄さんです。

湊和雄さん「宜しくお願いします。」

湊さん、今回でこの「リュウキュウの自然」のコーナーが25周年ですね!

湊和雄さん「なんかあっという間という感じです」

これからも引き続き宜しくお願いします、今回のテーマは「台風の爪痕」です。

湊和雄さん「8月の初旬に猛威をふるった台風6号、私たち人間社会にも大きな影響を与えましたが、自然界でも同様です。昆虫たちには、まだその影響が残っています。特に例年の同じ時期に比べて、セミとチョウが少ない状況です。」

心配ですね。それではVTRご覧ください。

リュウキュウの自然「台風の爪痕」

湊和雄さん「やんばるの林道沿いでは、未だ多くの倒木を目にします。今回の台風では、かなりの大木も根こそぎ倒されています。」

台風の凄まじさが蘇りますね。

湊和雄さん「逆に、例年に比べてあまり変わらないと感じるのがトンボたち。例えば、やんばるの渓流の常連リュウキュウハグロトンボ。いつものようにメタリックカラーの美しい姿を見せてくれます。見晴らしの良い葉先にとまって、近くに餌になる小昆虫や侵入者があると急に飛び立ちます。そして、戻ってきた直後に美しい翅を開きます。」

「やはり、やんばるの渓流でよく出会うのがリュウキュウルリモントンボ。美しいルリ色の複眼や胸部の模様が印象的です。」「リュウキュウルリモントンボの産卵は、このように雄(上)と繋がったタンデムという状態で行われるのが普通です。」「しかし、このように雌単独で行われるシーンも目撃しました。」

リュウキュウの自然「台風の爪痕」

雄はどうしたのでしょうね??

湊和雄さん「その隣で産卵していたのはリュウキュウベニイトトンボ。やはりタンデムで産卵していました。」「こちらは雄のリュウキュウベニイトトンボ。雌に比べて鮮やかな体色です。こちらも鮮やかな赤色が目立つオオハラビロトンボ。このように腹部が赤いのは成熟した雄だけ。雌は黄色です。このような細い枝にとまることが多く、飛び立ったかと思うと、また舞い戻ってきます。」

「オオハラビロトンボでいつも驚くのが、この腹部の動き。他のトンボでも見られますが、このように激しく動かすのはオオハラビロトンボくらいです。こちらは、オオシオカラトンボのペア。(交尾中です)」

雌雄でかなり色や模様が異なりますね。

湊和雄さん「「交尾した状態で飛び立ちました。何処へいくのでしょう。雄と雌は離れた後、産卵を始めました。雄雌離れましたが、雄は産卵する雌の近くを飛び回って警護しています。」

「何故、警護する必要があるのかというと、産卵中の雌にアタックする雄が多いのです。ここでも、3匹の雄が雌の周りを飛び回っていました。」

「冒頭でチョウとセミが少ないと言いましたが、例外もいます。このチョウ、木の実の汁を吸っていますが、何のチョウだか分かりますか?」「横から見ると、このような姿です。そう枯葉に擬態しているコノハチョウです。」

リュウキュウの自然「台風の爪痕」

「枯葉模様にはバリエーションが多く、このようにさらに枯葉そっくりのものもいます。コノハチョウは、台風前と変わらない数が見られます。この2匹はしかも羽化したばかりの傷一つない状態。」

台風をどうやって乗り切ったのでしょうね?

湊和雄さん「一言セミもまた例外が。中南部ではほとんど鳴き声を聞きませんが、北部では次第に増えてきました。それはこのクロイワツクツクやオオシマゼミがメインだからでしょう。この2種はこれからピークを迎える種類なのです。」

9月17日はヤンバルクイナの日。それに向けて15日から、生きたヤンバルクイナを観察できる国頭村安田(あだ)のヤンバルクイナ生態展示学習施設「安田ふれあい公園」で記念イベントが開催されます。

湊和雄さん「私はやんばるの生物のパネルと動画展示で参加しています。」「期間中、小学生以下のお子さんは入場料無料&記念品プレゼントもあります。是非、お越しください。」

湊さん、今回も貴重な映像ありがとうございましたそして、これからも宜しくお願いします!

以上、リュウキュウの自然でした。