※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

沖縄市にアトリエを置き東北と行き来しながら創作活動を続ける画家がいます。その名は齋悠記(さい・ゆうき)彼女が表現する『感覚の世界』が多くの人を魅了しています。

レフ沖縄アリーナbyベッセルホテルズ

今月、沖縄アリーナのすぐそばにオープンした『レフ沖縄アリーナ』沖縄とアメリカのチャンプルー文化が息づくコザの街をイメージしてつくられ、いたるところが様々な表現で演出されています。

屋上にはプールとともにミュージックバーを備え、150ある客室にはキングスのロッカールームを再現した部屋も。そして一番の特徴が館内を彩る絵画の数々。表現方法も制作手法も違う沖縄市にゆかりのあるアーティストが手がけたこだわりの作品がそれぞれの感性を刺激します。

訪れた人を迎えるエントランスに飾られた縦横およそ3メートル絵画は豊かな自然や人々の営みなど沖縄市をテーマに描かれたもの。市内にアトリエを置く画家・齋悠記さんの作品です。

ホテルのインテリアを手がけた中原典人さん「齋さんのアートを見た時に一番私たちがやりたかった沖縄市の表現にぴったり合った光とか影とか草花とかいろんなものがひとつのアートの中に凝縮されていて、しかもそれが調和してトーンが薄い色から濃い色まで重なり合ってザ・チャンプルーみたいな」

育んだ感性で創作活動 画家 齋悠記さん 感覚の世界で魅了

画家 齋悠記さん「色を使って調和を生み出すところで響き合うものを大事にして絵を描いているのでそこを見てもらったのはすごくうれしかった」

齋さんの作品はスイートルームにも。ここでは旅の疲れを穏やかに癒してもらおうと『ゆらぎ』や『流れ』をイメージして制作したものを選びました。

「あれ左側に鳥がいますか?」「いますね」「いますよね」「鳥に見えるとか違う日は違うものに見えたり」「鳥はイメージしていない?」「していないです」

画家 齋悠記さん「あれはきょうは鳥に見えたけど一緒に泊まる家族は違うものに見えるかもしれなくて」「その自由な感じが楽しい」「そういうふうにいろいろおしゃべりしながら見てもらいたい」「できるだけそういうふうにしたいと思ってつくっている」

育んだ感性で創作活動 画家 齋悠記さん 感覚の世界で魅了

何を描くのかは決めずその時に気になった絵具を重ねながら目に見えなくても確かに存在する『感覚の世界』を表現している齋さん。その世界観にあふれた空間は増え続けています。

プラウマンズランチベーカリー。丘の上に2009年にオープンしたカフェ&ベーカリー。外国人住宅を改装した店内で齋さんの作品を展示・販売している。

訪れた人「全体的に(店の雰囲気に)馴染んでいるように感じた」

プラウマンズランチベーカリー屋部龍馬さん「きのうは楽しく見えたのにきょうは悲しく見えるとか天候のせいなのか絵のせいなのか自分の気分のせいなのか、いろんな感情が日々向き合い方が変わるので」「どんなふうにも見られるのも面白くて飽きない」

育んだ感性で創作活動 画家 齋悠記さん 感覚の世界で魅了

ニューヨークに生まれ、宮城県仙台市で育った齋さん。これは小学生の運動会で撮られた1枚。面影がありますよね。そしてその手前に写っているのは私、中村守!実は私、齋さんの小学校の時のクラスメイトなんです。

「まさかこんな日が来るとは」「本当ですね嘘みたいですね」「33~34年ぶり」「そうですよね小学校卒業して12才」「お互いいい大人になりましたね」

中村守アナウンサー「仙台を離れて沖縄に来たのはなぜですか?」

画家 齋悠記さん「沖縄の文化に憧れて来てみたいという気持ちがあって、小さい時から絵を描いたり物をつくるのが好きだったのでそれが一緒にできる場所に住みながらできる場所というので沖縄県立芸大もあるここしかないなと思って来ました」

育んだ感性で創作活動 画家 齋悠記さん 感覚の世界で魅了

中村守アナウンサー「沖縄に来て芸大に入って作家としてやっていきます」

画家 齋悠記さん「とにかく絵を続けよう続けるにはどうしようと繰り返して今に至る結果として画家と言われることができるならばそうなっていくし」「ただずっと続けたかった描きたいとか何か表現したいということが」「小さい時からあったのかもしれないなとは思う」

中村守アナウンサー「沖縄という場所は画家・齋悠記にとって何をくれる場所だった?」

画家 齋悠記さん「私、形としてはこういう形で捉えているものを表現しているが」「見えているものと感じているものが一体となっているんだなって」「言葉にできない自分が感じているものとかを形にできた時にそうそうこういうことだったみたいに(思える)」「描いてみてもらったり、みる場所をつくるそうすると、絵だけじゃなくてその空間でこういうの捉えてたこれにすごく許されたことがあるな、感覚なんですよ全部」

画家 齋悠記さん「理屈で考えていたことがぽろりと取れるとまたひとつ進むというかそういうことが沖縄の風習だったり人との出会いだったり大気だったり」「何でも落ちているそれが絵を続けてこられた私を大丈夫よって言ってくれる、見えない元気をくれるというかそういうところがすごくあって」

育んだ感性で創作活動 画家 齋悠記さん 感覚の世界で魅了

中村守アナウンサー「日本全国に齋さんの作品は点々とあるんですよね」「そういう評価をしてもらえているということにどんなふうに感じていますか?」

画家 齋悠記さん「私の絵からもっといろんなところをくみ取ってくれて共鳴してくれる、それがあぁやっていて良かったってすごく思う」「画家として社会的な役割として、それを形にしてその方の家だったりどこかの場所に飾ることで共有してもらえて、その人たちのものになって、その人たちの記憶の中で何かのことになるかもしれない」「ほっとする時間というか何か向き合ってもらえる時間を持ってもらえるその役割を画家としてできるならこんなにうれしいことはないといつも思う」

今は2年前に入学した東北の大学に通いながら沖縄にも活動の拠点を持ち続ける齋さん。表現の幅をさらに広げながら画家としての感性を育んだ沖縄での創作が続きます。

齋さんの作品はデパートリウボウで9月1日から始まるアートフェスティバルでも展示されます。



SAI YUHKI 齋 悠記 WEB SITE