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今を生きる私たちが、沖縄の未来を見ていくシリーズ「IMAGINE・おきなわ」ですが、まずは10年前を振り返ります。沼尻さん、このVTRを覚えていますか?「2013年放送「沼尻まるかじり」芝人に弟子入り編」

沼尻アナウンサー「はい、これはサッカーの芝のグラウンドを整備する芝人(しばんちゅ)の仕事ぶりを私が弟子入りして取材した時のものです。この芝の環境が劇的に良くなったおかげでJリーグチームをはじめたくさんのプロサッカークラブが沖縄でキャンプを行うようになったんです。」

この芝をきっかけに県内のサッカー環境は新たな変化を見せています。きょうはそのプロフェッショナルたちの描く未来を思い描きます。

色とりどりのユニフォームや球団のグッズがならぶ事務所。ゴルフ場やサッカーグラウンドなどの管理を全国で手掛ける会社東洋グリーンの沖縄営業所です。所長の石井洋介さんは山口県出身。学生時代はサッカーに打ち込みプロ選手を夢見ていました。その憧れはかないませんでしたが大好きなサッカーを支えることを仕事にしています。

東洋グリーン沖縄営業所 石井洋介さん「(沖縄に)14年前に来たときと比べると、当然そのサッカーキャンプもやれる場所が増えて、本当に20ヶ所近く、県内でもあるのでプロの選手がプレーできる環境があるっていうのはもう大きく変わってきたなというふうには思っている」

#IMAGINEおきなわVol.7 サッカー芝の職人が描く未来q#IMAGINEおきなわVol.7 サッカー芝の職人が描く未来

1980年代に本格化したプロ野球キャンプで注目された冬の沖縄。しかしJリーグなどサッカークラブのキャンプは定着しませんでした。

「2013年放送「沼尻まるかじり」芝人に弟子入り編」VTR 県文化観光スポーツ部長(当時)平田大一さん「その理由は芝の管理。芝の環境の整備がまだまだ足りないというところがございまして。この芝のメンテナンスをする専門人材を作っていこう、これが今年度県がさっそく仕掛けた取り組みです。」

Jリーグクラブのグラウンド管理の経験があり県やサッカー関係者から協力依頼された石井さんは芝管理のスペシャリスト養成の講師となりました。

東洋グリーン沖縄営業所 石井洋介さん「たかが芝生っていうふうに皆さん結構認識されてたと思う。何で(沖縄の芝も)青いさっていうのをよく言われた」「(選手が)グラウンドのせいで怪我しましたよとかサッカーの(芝の)クオリティがトレーニングができませんというのはやっぱり問題なので」

#IMAGINEおきなわVol.7 サッカー芝の職人が描く未来

指導だけでなく県外のJクラブの本拠地や取り組みを行政やサッカー関係者に見てもらうなど関心を掘り起こした結果キャンプ誘致へ積極的に取り組む自治体が増えました。その結果県が本格的なキャンプ誘致を始めた2010年度とグラウンド整備が進んだ2019年度を比べると来沖したクラブ数、経済効果ともに目を見張る増加。

コロナ禍を経て3年ぶりの有観客となった今年も国内外20クラブが沖縄でキャンプインしました。芝から始まった環境づくりは次のステップに入ろうとしています。

東洋グリーン沖縄営業所 石井洋介さん「町おこしというか、新たな開発ではないがFC琉球を使った地域の盛り上げであったりとか」「八重瀬町、特に具志頭地区を中心にもっともっと盛り上げられたらいいなというふうには思っている」

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去年8月、具志頭に完成したスポーツ観光交流施設。それまで、練習は県内のグラウンドを転々としていたFC琉球がその拠点にしたいと八重瀬町と協定を結び使用しています。天然芝のグラウンドを始めJリーグ1部昇格に必要な規格を満たす練習拠点です。

Jリーグに昇格する前のJFL時代から琉球を知るチーム12年目のベテランも改善された環境の変化を感じています。

FC琉球 富所悠選手「僕が来たころしばらくは芝もあまり(無く)結構堅めのグラウンドで練習したりしていたので体への負担も大きかったしそれがキャンプ事業で芝もだいぶ良くなって」

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富所選手は自分の経験を沖縄に還元したいと子どもたちへのスクール指導も行っています。

FC琉球 富所悠選手「自分の子どもだったり自分のスクールの子だったり街で会う子どもだったりに少しでもいい影響を与えられたら、将来沖縄でもっとサッカーがメジャーになったり、いい選手が出てきたりというところにつながると思う。ピッチの中でも外でも貢献できればと思う」

施設を管理する八重瀬町は町内外の一般の人たちや子どもたちも利用できるようにしています。

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八重瀬町 スポーツ振興課 屋冨祖修課長「FC琉球だけではなく地元あるいは(町外の)県民も使えるような施設ということで利用者(促進)を図っている。芝の品質確保・向上しながらできれば将来的には全国大会の誘致とか、子どもたちのサッカー技術の向上や交流、ゆくゆくは八重瀬町もそうだが南部一帯の経済効果も出たら良いということは考えている」

またサッカー環境の改善は選手のセカンドキャリアにもつながっています。この施設の芝を管理する東洋グリーンの秦賢二(はだ けんじ)さん。広島県出身の元Jリーガーで、FC琉球にも4シーズン在籍。いまも県内社会人チーム海邦銀行SCの一員です。

110m×120mの天然芝のグラウンドを3時間あまりかけ丁寧に刈ります。

東洋グリーン 秦賢二さん「短いと痛みは目立つがボールの走りを考えるとやはり短い方がプレーしやすいというところ。時期と利用状況とを見ながらこちらで(芝の長さを)変えている」

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選手経験、そして環境が整わなかった時代の苦労はいまや秦さんの大きな強みです。

東洋グリーン 秦賢二さん「沖縄に来た時に正直その当時はグラウンドはそんなに整っていない環境(いまは)小学生だったり一般の方が利用されたときにきれいだとすごく喜ばれる。その辺も自分のモチベーションにつながっているのかと思う」

サッカーキャンプ誘致から始まった芝の整備は県内でサッカーを楽しむ子どもから大人たちの環境をも改善しています。

東洋グリーン沖縄営業所 石井洋介さん「最初はやっぱりJクラブに来てもらうためにみんなで芝を守って守ってとやっていたが、どう(プロキャンプと一般利用を)回していいかが分かり始めてからは、ここまではOKだねというのが貸す側(自治体)もグラウンドを管理する側もつかめてきている。」

屋冨祖課長「八重瀬から日本代表、沖縄県からもそうだが(具志頭で)練習してもらって(代表選手を)出したい」

東洋グリーン沖縄営業所 石井洋介さん「何年先ですかね?僕らが生きている間に」

大好きなサッカーを地域の活性化にも生かしたい石井さんの情熱は八重瀬町で1つのモデルを生み出そうとしています。

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東洋グリーン沖縄営業所 石井洋介さん「スポーツをするというのを一緒にできる環境がパークゴルフ場が併設されることによってサッカーだけでなく、おじい、おばあの世代も一緒にスポーツをするという環境ができるので当然医療とか福祉に関しても貢献できるようになるかなと思うし」「また新しいもの(価値)を足して提供できたらと思う」

石井さんはこの八重瀬町の施設が台風の時などの避難の拠点にもなれると防災の面でも役に立てると話していました。

スポーツや仕事の経験を生かした地域活性化が県内いろいろなところで広がりを見せると良いですね。


沼尻まるかじり グラウンドの救世主!「芝んちゅ」とは