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寺崎アナウンサー「大切な人へ、沖縄へ、それぞれの思いを込めて聖火リレーをつないでいきます」

2日間にわたり行われた聖火リレーでは178人のランナーが聖火をつなぎました。その一人ひとりに聖火に込めた思いがありました。先天性の脳性まひで、生まれつき体を動かすことが難しかった屋良和歌子さん。

屋良和歌子さん「幼いころからみんなと一緒にスポーツ、体を動かすことを含めて全部したいなっていう気持ちはあったんですけど、なかなか体を動かす競技とかそういうことができず悔しい思いもたくさんしたんですけど」

聖火リレー聖火に込めた思い

それでもめげずに、成人後は車いすバスケットやサッカーなどに挑戦してきた屋良さん。体を動かすこと、みんなでスポーツができる喜びを知り、今回、聖火ランナーにも挑戦しました。

屋良和歌子さん「あと聖火リレーも一つひとつの火をみんなでつなぐっていう意味ではすごくありがたい経験だなって聖火を運びながら、とても一人で感動していて」「周りに笑顔を届けられて、しかも希望も届けられてというので、すごくいいなと思っている」

またこちらは、走行前に写真を撮る大崎さん家族。ランナーをつとめる優心(ゆい)さんのそばには1枚の写真がありました。

父・孝治さん「娘と私たち家族は私の転勤で他県にいましたが、娘はバドミントンをやっていて、そういった競技をやっている姿を見せたかったのですが、なかなかそういう機会がなく、その前に(沖縄にいた)祖母は亡くなってしまいましたので」

優心さんの祖母・勝美さん。優心さんがスポーツで活躍する姿や、オリンピックの開催を楽しみにしていましたが、それらを見る前に、亡くなってしまいました。

聖火リレー聖火に込めた思い

大崎優心さん「おばあちゃんはすごく東京五輪を楽しみにしていたので私もオリンピックに関われたらと思って応募したし、おばあちゃんが楽しみにしていた思いも込めて走った」「コロナ禍で規模縮小された中での実施だったけどおばあちゃんも天国からきっと見てくれたしきっとおばあちゃん自身も喜んでくれたかなと思った」

福地良夫さん「気持ちが高ぶっているというか感激でいっぱいですね」

前回の東京オリンピックが開催された1964年に聖火ランナーの伴走をつとめた福地良夫(ふくち・よしお)さん。今年はなんと孫の健人(けんと)さんが聖火ランナーを務めることになりました。奇しくも57年前の福地さんは、今の健人(けんと)さんと同じ読谷高校2年生でした。

福地良夫さん「まるで夢のようですよ」「私と孫が聖火リレーで走れるということは孫が走ってくると自分が走った当時を思い出すんじゃないかと思っています」

屋嘉健人さん「とても楽しかったです」「いくつもの縁が重なってこうなってきているんじゃないかなと思うので、改めておじいちゃんとか周りの人にたくさん感謝したり本当にすごいことだなと思います」

福地良夫さん「私の思い本人の思いを(トーチに)乗せて一生懸命走ってくれたと思っています」

そしてもう1人、1964年の聖火リレーを良く知るのが宮城勇さん。57年前の聖火リレーで沖縄の第一走者をつとめました。当時の聖火リレーは全国で沖縄から始まったため宮城さんは日本で最初の聖火ランナーでした。

聖火リレー聖火に込めた思い

宮城勇さん「日の丸の波と人の波、そういう印象ですね。」

当時、アメリカ軍統治下にあった沖縄では祝祭日以外の日の丸の掲揚は禁じられていましたがこの日だけは、聖火を日の丸で迎えることをアメリカ軍も黙認。祖国復帰運動が盛んだった時期でもあり、沖縄の人にとって聖火は、「希望」だったといいます。

宮城勇さん「前回の大会は(戦後)復興の途中にあって国民全体があすの未来を夢見た年でした。沖縄にとってもオリンピックの大きなイベントがスポーツだけでなくて沖縄の社会にも影響を与えるような大きなエネルギーとなるような大会になってほしいとそう思いますね」

57年前の東京オリンピック・聖火リレーが沖縄に与えたパワーを知っている宮城さんにとってコロナ禍に揺れる、今回は大会の成功を強く願いながらのリレーとなったようです。

宮城勇さん「聖火リレーもオリンピックについても、たくさんのいろんな意見がありますけれども、私はこう思うんですよ。私は今こそ日本の皆さんがコロナ禍の対応、そして同時にオリンピックの成功のためにですね、今こそワンチームになってほしいなと。みんなでこのオリンピックを成功させるため全力の応援をですね、お願いしたいなとこう思います」

聖火リレー聖火に込めた思い

それぞれの思いを込め178人のランナーがつないだ聖火。そのゴールを待つ特設ステージではKiroroの2人が歌で華を添えます。

その歌声に乗せて、沖縄での聖火リレーを振り返ります。