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辺野古サンゴ移植裁判 県が敗訴

辺野古の埋め立て予定海域に生息するサンゴの移植を許可するよう県に求めた農林水産大臣の指示は国の違法な関与だとして、県が国を相手に起こした裁判で福岡高等裁判所那覇支部は県の訴えを退けました。

この裁判は、辺野古の新基地建設をめぐって沖縄防衛局が出したサンゴの移植申請を許可するよう農林水産大臣が県に是正指示を出したのは、知事の判断権限を奪う国の違法な関与だとして是正指示の取り消しを求めて県が国を相手に起こしたものです。

2020年11月の第1回口頭弁論で玉城知事は、「是正指示は地方公共団体の自主性や自立性を著しく制約するもので国民の批判を受けることは免れない」と訴えていました。

一方、国は、沖縄防衛局が出したサンゴの採捕許可の申請に1年4ヵ月の間、県が具体的な回答をせず、標準処理期間を大幅に過ぎたことを理由に「県側の事務遂行は、適正を欠いている」と反論していました。

きょうの判決で福岡高等裁判所の大久保正道裁判長は、県の対応について「相当の期間が経過しても、何の処分もしなかった行為が違法であり、許可処分をしないことも違法な状態にあった」と指摘、そのうえで「国による是正指示は違法ではない」として、県の請求を退けました。

玉城知事会見「工事が施工されることを前提に本件各申請の許否を判断しなければならないという常識では考えられない内容となっています。私としては、今回の判決は納得できるものではなく、判決内容を精査したうえで、上告を含めた対応を検討してまいります」

県は、2月10日までに上告するかどうか判断する方針です。

サンゴの移植許可をめぐっては、2020年6月に、防衛局が申請した3万5380群体分のサンゴの特別採捕許可について、県は先月、「当初の埋め立て承認の内容では工事を遂行、完成出来ず、必要性が認められない」として、不許可にしていました。また、国が出した設計変更について県には1万7839件の意見が寄せられていて、そのすべてが否定的な意見だったということです。