新型コロナウイルスの最前線で戦う「県立中部病院救命救急センター」の中山由紀子医師です。

おととい、QABに今、救急医療の現場で起きていることを伝えてくれました。私たちにもできることがあります。

中部病院中山由紀子医師「私は沖縄の救急医療そして妊娠9カ月の妊婦でもあります。産休に入ったので最前線で忙しい仲間に代わり話しています。3月半ば関東の祖父が亡くなりました。でも葬式には行かず沖縄に残りました。

私の移動によって沖縄に職場である救急医療の現場に妊婦検診を受けている産科に夫の職場にそして息子の保育園にウイルスを持ち込むリスクがあるからです。このウイルスの怖いところの一つは無症状でも感染していて人にうつす可能性があることです。

あなたが私が気付かずに今まさにウイルスを運んでいる可能性があることです。沖縄の救急医療の現場の話をします。PCR検査をするのに最低1セットの感染防護具が必要になります。検査は鼻に綿棒を突っ込むので患者さんがくしゃみをしてエアロゾル(空気中の細かい粒子)が発生します。検査だけでもドクターや医療スタッフ他の患者さんへの感染のリスクが上がるのです。入院治療するときはもっと多くの医療スタッフがかかわるので患者さん1人につき感染防護具はもっと必要です。使い捨てなので1日に何枚も使います。

でも沖縄では救急病院ですら感染防護具はすでに在庫切れのカウントダウンが始まっています。街の小さなクリニックや離島はどうでしょうか想像してください。足りなければ使いまわすしかありませんでも使いまわしていたら毎日濃厚接触している医療スタッフを感染から完全に守ることはできません。そうなれば皆さんにとってもクリニックや病院は危険な場所になります最前線にいる私たちはニューヨークのような世界が沖縄にも迫っているのを肌で感じています

沖縄の救急現場はただでさえ普段から混雑して多忙ですベッドもいつも埋まっています。今はそれに加えてコロナ感染疑いの人の診療という業務が増え救急医療の現場はすでに疲弊しています。保健所は医療現場を守るために多大な負担を負い機能不全におちいる寸前かもしれません。検査や診察で感染を広げることを防ぐために必要な労力は皆さんが思う以上に大きいのです。だから軽症者が増えることも医療現場には十分なダメージを与えます。そして軽症者が増えれば必ず重症者も増えるそもそも地方は医療資源が少ないです。感染を防護具だけでなく医療スタッフのマンパワーも圧倒的に少ないです

そこへ流行地から移動して来た人がウイルスを持ち込んでしまったらまだここではそんなに流行っていないと住民が油断していたら、医療スタッフが感染してしまったら、沖縄の医療を崩壊させるのは簡単です。でも、みんなが自分にできることを考えて実行できればこの流行を抑え込むことができると信じています。

(感染者を)ゼロにはできなくても医療スタッフをできるだけ危険にさらさず、医療が必要な患者さんが適切な医療を受けられるレベルで制御することができると思います。繰り返します。このウイルスの怖いところの一つは無症状でも感染していて人へうつす可能性があることです。あなたが私が、気付かずに今まさにウイルスを運んでいる可能性があることです。

皆さんも移動しないこと移動してきた人との接触を最低1週間は避けること、3つの密を避けることで自分や自分の周りの人だけでなく沖縄の医療体制やスタッフを守ってほしい。あなたが感染しなければ貴重な感染防護具を温存できます。医療スタッフの感染リスクを下げることができる。自分は無症状だけど感染しているという意識で行動してくださいどうかお願いします」

10年以上、中部病院で働く中山医師。今は産休をとっていますが、自宅で病院の事務作業などサポートしているそうです。悲痛な救急の現場の思いが伝わります。メッセージ、ありがとうございました。

決して他人事ではない。これ以上、感染を広げないためにも救急の現場に負担をかけないためにも私たちでできることを行動に移していきましょう。

新型コロナ 救急医療の現場から医師の訴え