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辺野古軟弱地盤改良 政府の「技術検討会」の狙いは

辺野古新基地建設の埋め立て予定海域に見つかった軟弱地盤の地盤改良に向け、国は9月6日、有識者を集めた技術検討会を開きました。しかし、技術的にも日本で前例がない工事について専門家が指摘しました。

防衛省で開かれた技術検討会には地盤工学などを専門とする大学の教授ら8人のメンバーが参加。辺野古の軟弱地盤を改良するためには国が設計変更の申請をして県知事の承認を得る必要があることから、国は、技術検討会で有識者の助言を得て地盤改良の正当性を主張したい狙いがあるとみられています。

辺野古・大浦湾側で見つかった軟弱地盤は70ha以上あるとされ、大浦湾側の埋め立て海域の約7割を占めています。国はこの軟弱地盤に7万7000本の砂の杭を打ち込んで地盤の改良工事をする方針です。

7万7000本もの砂杭をつくるのに必要な砂は650万立方メートル。県内で取れる砂利でまかなうには3年から5年分の量になる上、軟弱地盤は水深90mにまで及んでいる場所があり、専門家は工事が困難な深さだと指摘していました。

日本大学理工学部鎌尾彰司准教授(地盤工学)「今、現有の我が国が持っている地盤改良船では、海面から70mまでしか届きません。ここの地盤は海面から90mありますので、最後の20mは届かない、地盤改良できないエリアになってしまいます」

辺野古軟弱地盤改良 政府の「技術検討会」の狙いは

県は地盤改良工事には5年で1500億円の費用がかかると試算していますが、国は3年8カ月かかると説明するだけで費用について言及していません。

玉城知事「政府は埋め立てを前提とした有識者会議を設置する以前に県の指導に従い、工事を中止し、埋め立て工事にかかる工期や総費用等を明らかにして、国民に説明するべきであるというふうに思っております。」

玉城知事は6日、技術検討会について辺野古ありきだと埋め立て承認撤回を取り消した違法な裁決を根拠に工事を進めていると、国の姿勢を批判しました。

今回の検討会について専門家は、県側の意見が反映される仕組みになっていないと指摘します。

日本大学理工学部鎌尾彰司准教授(地盤工学)「国主導で進めたいというのがありありとわかりますので、結論ありき的なですね、答えが出てくるだろう」「国側としてもう少し県に歩み寄る形が必要だと思いますし」「お互い協議をしながらですね、それで、工事を進めていくっていうのが、一般的な工事のやり方」「そういう事業の進め方をしていただきたい」

国は技術検討会を重ねて県に設計変更を申請する方針です。