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ベトナム戦争当時、沖縄に駐留していた退役軍人が手がけたアート作品が読谷村に寄贈されました。退役軍人はどんな思いで、作品を手がけたのでしょうか。

読谷村に寄贈 退役軍人が託した思い

読谷村役場を訪れたのは、イギリス人ジャーナリストのジョン・ミッチェルさん。ミッチェルさんの目的はある退役軍人から預かった作品を届けることでした。

読谷村に寄贈 退役軍人が託した思い

ミッチェルさんに作品を託したのは、ドン・シュナイダーさん。シュナイダーさんは、ベトナム戦争当時、読谷村にあったドッグスクールで軍用犬や犬たちを扱う兵士の訓練をしていました。

読谷村に寄贈 退役軍人が託した思い

シュナイダーさん「沖縄が利用されるのを見るのはおぞましいことだ。ベトナムに送られる若い兵士たちと親しくなることは非常につらい経験でした。60日後に犬だけが帰ってくるということは、それを扱った兵士が死んだということになるわけですから、ひどい話です」

シュナイダーさんが制作したのが、この時、自宅に飾られていた木彫りの壁掛けです。沖縄のことを思い出し、掘ったものでした。

読谷村に寄贈 退役軍人が託した思い

シュナイダーさん「沖縄は米国の軍事戦略の中で不可欠ものでした。沖縄の人々はそのために利用されたのです。沖縄の人々が招いた物ではない。彼らは素晴らしい人々です」

アメリカに戻ったシュナイダーさんが、1975年から2年間かけて作り上げたこの作品。41年の時を経て、シュナイダーさんの思いとともに沖縄にやって来ました。

読谷村に寄贈 退役軍人が託した思い

託されたミッチェルさんは次のように語ります。

ミッチェルさん「彼はこの作品を通して人々に自身の沖縄への愛を示そうとしている。彼は沖縄の音楽・人を愛した。この木彫りは沖縄への恩返し。彼は平和を愛する人。アメリカ人も平和を望んでいることを示したいと思っていて、平和的な方法で沖縄とアメリカをつなぐ架け橋を作りたいと考えている」

この作品は読谷村が保管し、今後、平和の大切さを伝える企画展などで展示される予定です。