※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

キャスター「沖縄の子どもの3割は貧困、という実態が明らかになった調査結果から1年あまり。きょうは、県が第2弾として行った「高校生調査」について久田記者とお伝えします」

久田記者「調査はご覧のように大がかりに行われ、進学、就職を控えた大事な時期を過ごす高校生の、厳しい生活実態が浮かび上がる結果となりました。まず「困窮している世帯」とされる世帯がどんな状態かをご説明します。税金や社会保険などを支払ったあとに残る世帯収入額がこちらを下回ると、困窮した生活水準とされます。」

高校生調査中間報告 困窮の実態明らかに

久田記者「3人世帯でおよそ220万円、4人世帯で254万円、などとなります。今回、この水準を下回る世帯が、29.3%と、高校生の子どもを持つ世帯の3割が、困窮していることが明らかになりました。家計については、借金をしながら生活している世帯、借金をしていなくても、貯蓄を取り崩す赤字の生活している世帯が合わせて3割を超えていて、困窮世帯の生活がなかなか上向かない現状が伺えます」

久田記者「また高校生の調査で初めて裏付けられたことがありました。「アルバイト」の実態です」

困窮世帯では、47.1%、およそ2人に1人が「アルバイトをしている」または「過去にしたことがある」と答えました。このうち7割の生徒が「年間を通していつでも働いて」いて、週に4日以上働いている生徒は53.4%と、半数を超えました。

高校生調査中間報告 困窮の実態明らかに

アルバイト収入は何に使っているかという質問では、経済状況に関わらず「友だちと遊ぶ費用」がトップですが、高校生の人間関係にはこれも当然ある程度必要なお金です。

注目すべきなのは、「学校での昼食代」や、「交通費」、「修学旅行などの学校行事」といった学校生活にかかる費用に充てているという回答です。困窮世帯では、そうでない世帯よりもかなり高い割合いとなっています。

久田記者「こうした厳しい環境で高校生活を送ってきた若者や支援者は切実な声をあげています」

知念優衣さん「高校1年2年くらいまでは普通に勉強できていればいいやと思っていたんですけど進学を考えるとなると私立だと(年間で)100万近くかかったりでお金がかかると感じていて」

高校生調査中間報告 困窮の実態明らかに

知念優衣さん「お金がないから進学できない進学できないと将来就ける仕事も限られてくる。負のループが一番恐ろしいというか、それがあることで沖縄は貧困の家庭が増えていると思うので。」

―支援者は―

坂晴紀さん「給付型の奨学金というのがあればですね、保護者の方は『頑張らせたい』と。出口がしっかり見えてきて、『山の頂がちゃんと見えると頑張れるんだけど、それが今見えないんで、なかなか応援が難しい』と」

―専門家は―

高校生調査中間報告 困窮の実態明らかに

加藤彰彦教授 「本質的な問題は実は、『親も含めた就労状況が非常に貧困である』というところにあると思うので。今の働き方そのものがどうなっているか。沖縄県のですね。労働状況などをきちっと掴んで、どのような改善が必要なのか、県内全体としてやらなきゃいけない」

知念優衣さん「大学生になっても勉強が難しくなったとしても両立する力が身についたかなと思うので進学しても勉学やりつつアルバイトもしながら夢に向かって頑張りたいと思います」