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再びリングへ 元プロボクサーの挑戦

九州・沖縄各県をつないでお送りする新春ブロック企画。今回のテーマは「チャレンジ」。今月31日におよそ20年ぶりの試合に挑む元プロボクサーがいます。その職業はとても意外。再びリングに立つ理由はなんだったのでしょうか。

再びリングへ 元プロボクサーの挑戦

下地要平(38歳)、およそ20年ぶりのリングへ向け最大の武器、右フックに磨きをかける

トレーナー・廣虎さん「喋りかけづらいって言うかそういうオーラが出ているので」

再びリングへ 元プロボクサーの挑戦

ただならぬ雰囲気を持つこの男ボクシンググローブを外すと、実はもう一つの顔がある。私たちは意を決して彼の普段の生活を追いかけることにした。そこで目の当たりにしたものとは…!

実は、下地さん、保育園の園長先生なんです!

下地要平さん「園長しているというとびっくりされます。見た目からは想像できないとは言われるんですけど、自分はそうは思わないですけどね」

再びリングへ 元プロボクサーの挑戦

那覇市にある保育園。下地さんは、ボクシングの時とは全く違う笑顔で園児120人に接しています。優しいと評判の園長先生なんです。

園児たち「あんまり怒られたことない」「優しい!(どんなところが優しいの?)全部!」「恐い目するときある」

下地要平さん「大人が直接言われて傷つくことを直で言ってくるので、そんなところが素直で大好きです。可愛いです、ほんと可愛いです」

再びリングへ 元プロボクサーの挑戦

とにかく子どもが大好きな下地さん。その愛情はあまりにも強く、毎年感極まって、卒園証書が読めません。

下地さんは、園長先生としての仕事を終えた後、ボクシングの練習へと向かいます。体力的に厳しい時もあると言いますが、その心を支えてくれるのも子ども達の存在です。

再びリングへ 元プロボクサーの挑戦

下地要平さん「正直きついです(そこを頑張れるのは何か理由があるんですか?)そうですね、やっぱり勝って子ども達、応援してくれている皆に勝って『おめでとう』て言われたいので、そのためには必死に頑張るしかないので」

そこまでしてボクシングに取り組むのも可愛い子ども達への思いからでした。

再びリングへ 元プロボクサーの挑戦

下地さんがボクシングを始めたのは高校時代。成長著しく、19歳でプロライセンスを取得しました。

夢と語っていたリングは目前。しかし、プロになったことに満足しモチベーションが低下。その舞台に一度も上がることはありませんでした。それからおよそ20年、そのことがずっと心にひっかかっていたと話します

再びリングへ 元プロボクサーの挑戦

下地要平さん「(子ども達に)『夢を諦めたら損するよ』とか『今やっていることをがんばれ』とか口で言うのは簡単ですけど。自分も出来ていないのに、言っても大丈夫なのかって、悪いなぁって感じ。言葉で言うより、自分がやって見せて終わった後に『夢を諦めなければこうやって叶うこともあるよ』と伝えたら、より子ども達に入っていくんじゃないかなと思って」

やや緊張した面持ちの下地さん。この日、子ども達にボクシングへ再挑戦することを初めて話しました。

下地要平さん「きょう先生からお話は、今度1月31日(日)に先生がボクシングの試合に出ることになりました。それで先生はきょう、お約束をします。みんなが頑張れるために、先生も今から練習がんばって試合に勝つ為に一生懸命がんばります。なのでみんなも今からいろんなことがあると思うけど、その時は頑張ってほしいです。みんなでおまじないをかけてください」「お手手はグー、エイエイ(おー!)」

下地要平さん「子ども達、意外にボクシングのこと知っていて、あんな盛り上がるとは思わなかったです。きょう子ども達のおまじない、エイエイオーをもらったので、絶対に勝ちます。勝って、みんなの前で大きくガッツポーズする姿を見せたいです」

顔はやや強面の優しい園長先生。子ども達の後押しを受け、夢のリングへ再挑戦です。

再びリングへ 元プロボクサーの挑戦