※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
やんばる林道訴訟 判決

県が計画した林道の開発事業を巡って、県内の住民らが工事費の差し止めなどを求めている裁判で、那覇地方裁判所は住民側の訴えを退け、県の事業については苦言を呈しました。

この裁判は2003年に県が計画した国頭村での林道開発事業を巡って、県内の住民らがこれ以上の開発は、やんばるの豊かな自然が破壊され希少な生物が失われるとして、工事費の差し止めなどを求めているものです。工事は2005年に始まって以降、費用対効果などのミスが指摘され休止となっていました。

18日の判決で那覇地方裁判所の鈴木博裁判長は「休止路線への相当な支出の確実性が予測されない」として住民側の訴えを退けましたが、県に対しては「環境省などから指摘された問題点について、調査や検討などがうかがわれず、現状のまま再開となれば、裁量権の逸脱・濫用と評価されかねない」と指摘しました。

弁護団市川守弘弁護士は「(主張を)ほとんど認めてくれている判決で、実質的には勝った。その結果、県はこのままでは林道開設はおろか、森林の整備事業をできないことが、はっきりこの判決の中では打ち出されている」と話しました。

判決について住民側は訴えを退けられたものの「やんばるの生物多様性が認められた」と話しています。判決を受けて、翁長知事は「環境に十分配慮しながら林道を適切に整備していくことが重要と考えています」とコメントしています。