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総距離200キロを超える鉄人レース、宮古島トライアスロン。今年は悪天候で種目が変わるなど、予想外の幕開けとなりましたが、それでも1470人が宮古島を駆けめぐりました。その中には特別な思いを持って挑む、あるお父さんの姿がありました

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當山豊さん「15年前にトライアスロンをやろうと決めて始めたんですけども。そのあとすぐ結婚して子どもができて、その後子どもが重度の障害ということで。全く練習できる状態じゃなかったんですね。それでいったん諦めた」

今回、初めて宮古島トライアスロンに挑戦する當山豊さん。愛娘の命(みこと)さんは生まれてすぐ脳性マヒが発覚。重い障害を抱え、施設での生活となりました。

當山郁乃さん「最初はやはりつらかったんですけど、年々、子どもと一緒に成長させてもらったというのもある」

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つらい治療を耐え、懸命に生きる命さんを見て、豊さんに自分ももう一度がんばりたいという思いが芽生えました。

豊さん「娘も苦しいところを通ってきたので、そういうことを分かり合いたいなということもあって。やっぱりトライアスロンって厳しいスポーツでもあるし」

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郁乃さん「お父さんから(娘に)強く生きてきたねという意味で、ストロングマンのメダルをぜひかけてもらいたいなと思っています。がんばってください」

大会前日、命さんは施設の医師や宮古島の友人のサポートのもと、宮古島に入りました。

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『トライアスロン宮古島大会、水泳競技が中止となりまして、ラン・バイク・ランのデュアスロン競技に変更になりました』

強風などにより海が荒れ、宮古島トライアスロンは29回目にして初めてスイムが中止に。それでも豊さんは前向きです。

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スイムに代わりランで競技スタート!當山さんの未知なる挑戦もスタート!

豊さんは最初のランを順調に終え続いて、島を約1周半走るバイク155キロへ。強い向かい風に苦戦しながらも着実に距離をこなしていきます。

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命さんの前も軽快に通過した豊さん。勢いに乗り練習でも走ったことのない155キロの道のりも無事走破!

そしてラスト一種目、ラン:42.195キロへ。しかし20キロの折り返し地点まで来ると、疲労もピークに。

豊さん「(半分過ぎましたけどどうですか?)きついっす。がんばります」

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折れそうになる心。しかし、同じトライアスロンチームのメンバーが力をくれます。

それでも思い通りに動かなくなる脚。豊さん、とうとう歩き始めてしまいます。

一方、命さん達はフィニッシュの陸上競技場に到着。豊さんを待ちます。果たして完走できるのか…。

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郁乃さん「お父さん!お父さん!一緒にゴールしよう!」

最後は家族3人そろってのフィニッシュまでのラストラン。

豊さん「妻と娘が待っているっていう、それがすごく(励みに)。それに何よりもこれを彼女(娘)にあげたかったのでどうしても。このメダルを欲しかったんで、がんばりました」

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郁乃さん「すごく不安で、涙が止まらないというか。待っているだけでもう、はじめてこんなにドキドキしました」

これまでのがんばり、そしてこれからのがんばりその二つの証となる金メダルはしっかりと命さんの胸で輝いていました。

今年も選手それぞれにドラマのある宮古島トライアスロンとなりました。

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