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先週告示された県議会議員選挙。今週は注目の選挙区をお伝えします。きょうは普天間基地の移設先にあげられている名護市区。名護市区では定数2に対し、4人が立候補しています。今回の選挙で候補者たちはどんな風に闘っているのでしょうか。

「今回の選挙で過半数の議席を獲得しなければと思うように、仕事がきない。過半数を確保させてくださいと。お願いしてください」

仲井真知事からの伝言が披露されたのは、名護市区で開かれた自民党推薦候補の決起大会。与野党が逆転している県議会。名護市区の議席も絶対に落とせないのです。

政権交代に期待がかかる中、民主党などが躍進し、与野党が逆転した前回の県議選。

4年前、改選後すぐの県議会では、野党が辺野古への基地建設に反対する決議と意見書を可決。辺野古移設はノーだという県民の意志を政府に突き付けました。

辺野古移設を巡り、容認派と反対派が対立する構図だった名護市区の選挙。しかし、今回は少し事情が違っています。

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末松文信候補「偉大な3人の政治家の政治決断のタイミング、環境を目の当たりに見せていただいた」

前の副市長の末松文信候補。辺野古移設を受け入れた比嘉、岸本、島袋の3代につかえ、自身もキーマンの1人と目されていましたが、今回、立場を明確にしていません。

末松文信候補「ここにきて、政権が変わったり、政府方針が二転三転で実現できない。私が予断を持ってどうすると言える状況ではない」

一方、稲嶺名護市長を支えてきた側は、2人が立候補することになり、票の取り合いが懸念されています。

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玉城義和候補「改めて1人の議員を誕生させることがいかに大変なことか、改めて皆さんの顔を見ながら、思っていたところであります」

辺野古移設反対派の中心的存在で、6期目を目指すベテランの玉城義和候補。いつも以上に緊張感を持って選挙戦に臨んでいます。

玉城義和候補「辺野古については県内移設反対の運動の中心に立ってきたと自負している。稲嶺市政をこれからもきちっと擁立していく、発展させていくという使命を持っています」

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こうした中、初めて県議選に臨むのは民主党の玉城デニー衆議院議員とも近い前の市議の玉城健一候補。

玉城健一候補「様々な振興策や事業が投入されたけれど変わらなかった。私は変えようという努力をしなかったという思いがします」

稲嶺市政下では与党の中心メンバーでしたが、深刻な経済の落ち込みを何とかしたいと、市議の座を辞して県議選に挑みました。

玉城健一候補「基地の反対を訴えながら、経済を作りきれなかったところもあると思います」

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このほか名護市区では無所属で新人の比嘉清仁候補も出馬。

比嘉清仁候補「市民と一丸となって、必ず名護の経済を立て直して、雇用を拡大して、医療介護福祉、社会保障制度を実現させていかなければなりません」

実は今回の選挙戦では候補者全員が最も訴えたいこととして「基地問題」ではなく「雇用の拡大や経済発展」をあげています。

そこには基地問題に振り回され、疲弊した名護の苦しい実情がありました。

再来年の名護市長選挙にも影響すると見られる今回の選挙。年末にも基地建設を前提にした辺野古沖の埋め立て申請が国から県に出されると見られる中、結果が注目されます。

今回の県議選は仲井真県政にとっては与野党が逆転している状況を打開するリベンジ戦であり、新しい基地を造らせないと踏ん張っている稲嶺名護市政にとってはその足場を守れるかどうか、重要な意味合いを持っています。

経済の活性化を訴える候補者たちですが、それをどう実現するのか、その手段として基地もありなのか、有権者は厳しい目で選択すべきです。