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きょうのQリポートは県内で活躍する「警察犬」について。現在、様々な事件の解決に欠かせない彼らですが、捜査の場で実力を発揮するようになったのはある事件がきっかけだったのです。山城記者です。

豊見城警察署の敷地内にある警察犬舎。ここでは、現役の警察犬3頭が飼育されています。すぐれた嗅覚をいかし、犯人や爆発物の匂いをかぎ分け事件を解決へと導く警察犬、ですが…

取材陣に緊張しているのか、なんだか落ち着きがありませんね。本当に大丈夫なのでしょうか?しかし心配ご無用。実は去年の沖縄県の警察犬の出動回数は九州ナンバーワン!近年では毎年300件を超える出動があり、多くの事件で活躍しています。

その活躍を支える訓練を見せてもらいました。

「これです!今日は特別に警戒訓練をさせてもらうことになりました。頑張ってきます」

足跡に残された臭いをたどる足跡追求訓練。臭いをつけたガーゼを隠して、同じ臭いを犬に覚えさせ、探し当てる訓練です。足跡などの痕跡の匂いをかぎわける警察犬。嗅覚は人間の5000〜1万倍といわれています。この嗅覚を生かして、いくつもの事件を解決に導いてきた警察犬ですが、始めから実力が認められていたわけではありませんでした。

沖縄県に直轄警察犬制度ができたのは1978年。発足時は、現在も警察犬を担当する福原兼栄さんがひとりで、1頭の警察犬を担当していました。

福原さん「うちの捜査員からも犬がつかえるかと」「見えないものをやってますので、ほんとにこれが現場で使う場合には…」「これがほんとに追っていってるのか、うそっ鼻使ってないかどうか、というのが不安ではありました。」

周囲の目が変わったのはひとつの事件がきっかけでした。1979年、那覇市繁多川で起きたひったくり事件。犯人は、銀行でお金をおろした女性の持つ135万円の入った封筒を奪って逃走。初代警察犬・ピーター号はすぐに出動しました。

福原さん「そのときに呼ばれて、そしたら先ほど訓練やったような足跡を源臭にしてやったところ、被疑者が潜んでいるお家まで警察犬が連れて行ったってことで、逮捕に結びついたと。それがマスコミに載ったがために、一線の警察官にも,あぁ犬は使えるんだと。」

福原さん「そうですねもうほんとに、良かったーというような感じでね。もうすごい!」「あぁ犬は使えるんだと。ということでそれからはですね、要請が多くなりました。」「(Q犬ほめてあげました?)そりゃあもうもちろん。よくやったで」

現在では実力が認められ、九州ナンバー1の出動回数を誇る警察犬。最近では、行方不明になった高齢者の捜索にも活躍しているといいます。沖縄の治安を守るために、きょうも犬のお巡りさんが活躍しています。

「ワンっ」

訓練を見ていると、怖い感じも受けるんですが、なんとなく愛らしい印象もあるんですよ。日本に警察犬が登場したのは1912年。犯罪捜査や行方不明者の捜索など、いまや現場に無くてはならない存在です。