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北部訓練場の住民地域のすぐ近くで進められているアメリカ軍のヘリパッド建設を止めようと座り込みを続ける東村高江区の住民に対し、国が起こした仮処分申請で那覇地裁は27日、防衛局側と住民側の双方から聞き取りをする1回目の「審尋」を行いました。

この問題はアメリカ軍北部訓練場の一部返還に伴うヘリパッド建設を、移設予定地に隣接する東村高江区の住民が止めようと工事現場に通じるゲート前で座り込みを実施。これに対して国が2008年11月、那覇地裁に通行妨害禁止の仮処分を申し立てたものです。

裁判所が双方に聞き取りをするきょうの「審尋」を前に、高江の住民や弁護士、支援者などおよそ200人が集会を開き、那覇地裁に対して仮処分申請の却下を求める2万5400人あまりの署名が集まったことが報告されました。

このあと開かれた審尋は30分ほどで終了し、住民側の報告会では、国側が裁判所に提出した資料には人違いがあったなどの報告がありました。

この中で住民側弁護団事務局長の金高望弁護士は「判事は、国は(住民たちによる)監視活動まで含めて妨害行為のように主張するが、裁判所にはそこが理解できない。国として何が妨害だといっているのかまずきちんと明らかにしなさい」と言っていたと報告しました。そして、ヘリパッドいらない住民の会の伊佐真次共同代表は「今までどおり、間違ったことはしていないという思いは変わらない。多くの人の共感を得るだろうと確信を持っている」と訴えていました。

一方、この仮処分を申し立てた沖縄防衛局は取材に対し、係争中の事件のためコメントを差し控えたいと回答しました。

基地建設や兵器の配備に住民たちが体を張って阻止するという姿は県内で幾度も見られてきたことですが、こうした住民を排除するために国が民事訴訟を起こすという異例の事態。裁判所の判断は県民にとって脅威ともなる可能性をはらんでいます。