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任期満了に伴う那覇市長選挙がきのう告示され、7日間の短期決戦が始まりました。県都那覇市のかじ取り役はどの候補がふさわしいのか、市民の関心も徐々に高まっています。

那覇市長選挙には3期目を目指す現職の翁長雄志さんと8年ぶりの市政奪還を狙う野党で新人の平良長政さん、それに会社代表の屋良朝助さんの3人が立候補しています。選挙は事実上、翁長さんと平良さんの一騎打ちとなっています。2人の訴えをまとめました。

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翁長雄志候補「市役所が市民に信頼されること、職員が市民に信頼されること。これなくして本当の街づくりは出来ないということでスタートしました。市役所は市民に対する最大のサービス産業でなければならない。今度、市民の皆さんのお力を貸していただきたい。そういうような言葉を申し上げて、協働の街づくりに取り組んでまいりました」

平良長政候補「市民が主人公の立場で改革を進め、政策の過程を透明化し、あらゆる段階に市民が積極的に参加できるようにして、本物の協働の街づくりを進めます」

事実上の一騎打ちとなった今回の那覇市長選挙。自民、公明の推薦で3期目を目指す現職の翁長雄志候補に対し、社民、社大、共産、民主、国民新党が推す元県議会議員の平良長政候補が挑戦。与野党ががっぷり四つに組む構図となりました。

平良候補は翁長那覇市政を福祉、医療、教育の切り捨て、弱者いじめの政治だとして変革を訴えます。キャッチフレーズはチェンジ。

平良長政候補「手ごたえは十分です。今、自民党離れが多くて、チェンジ!という声は強く感じています。アメリカも黒人大統領候補が勝ちましたので、それをあやかってぜひ勝ちたいと思っています」

これに対して翁長候補は、8年前の組合主導の革新市政に逆戻りさせれば那覇市政は停滞すると訴えています。キャッチフレーズはノーリターン。

翁長雄志候補「あと1期は責任を持ってやりなさいという力強いご支援を感じるものだから、あと4年間、自信を持って、しっかり那覇市民のために頑張っていきたい」

翁長、平良両候補が掲げる政策は、協働の街づくりや産業の振興と雇用の創出、市民の暮らしの向上など、かなり似通ったものが多くあります。しかし、その裏付けとなる財源の確保という点では互いに手法が違います。

翁長候補はおもろまちの市役所庁舎建設予定地だった跡地の開発を例に挙げます。

翁長雄志候補「IT産業ビルが出来ますと雇用が3000人確保されます。なおかつIT産業ビルとマンション含めて300億円の事業費、そして出来上がった暁には毎年3億2000万円の税収が、法人税、固定資産税、住民税が上がって来る」

これに対して平良候補は、安里牧志地区再開発事業でも大手ゼネコンに決まっていると指摘し、財源の確保についてこう訴えます。

平良長政候補「どうして沖縄の業者が出来る工事を本土の業者にさせるのか。地元優先、分離分割発注を推し進めて、本当に沖縄が豊かになる市政を目指していきたいと思います」

担当の金城記者です。金城さん、今回の選挙の争点は?

金城記者「ひっ迫している那覇市の財政問題をどうするかです。翁長さん、平良さんとも協働の街づくりを上げています。しかし那覇市の将来像、とりわけ市民生活に直結する医療や福祉、教育、産業雇用といった分野の政策を行うにも財源の裏付けが必要です。国からの交付税は減額される一方です。そうなると歳出を切り詰め、歳入を増やすしか自主財源を確保する道はありません。それをどこに求めるのか。候補者は選挙戦を通して具体的なビジョンを有権者に示すべきでしょう」

継続か、変革か、という割にはあまり政策の違いが見えてこないんですが。

金城記者「市民が主人公、いずれも協働の街づくりという点、それに経済雇用、福祉、教育、ほとんどの政策が似通っています。継続という場合、2期8年で失点らしい失点がないといわれている翁長さんの政策を市民が受け入れるということです。変革という場合は自公政治にノーを突きつけるということです。ただ、両陣営とも争点に上げていないのが那覇空港の沖合い展開問題です。那覇空港の沖合いには、手付かずの貴重なさんご群落が生息しています。両候補とも、環境問題は政策の大きな柱にしていますが、那覇空港沖合いのさんご礁保護には触れていません。そのあたりを大いに議論すべきではないでしょうか。継続にしろ、変革にしろ、似通った政策は有権者にとって新鮮見がなく、サンゴの問題や様々な問題を有権者に示し、魅力ある政策を示してほしいです」