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ヤシガニとサンゴの卵の話題をお届けします。

ヤシガニは乱獲が原因で絶滅危惧種になってますし、サンゴも自力で再生できないレベルまでダメージが広がったといわれています。でも、その繁殖のメカニズムは少しずつ解ってきているようです。

まずはヤシガニです。竹富町鳩間島の海岸で見つかったこのヤシガニ。なんと、おなかに精胞と呼ばれる精子の入ったゼリー状の物体を抱えた雌なんです。つまりオスからそれを受取った、交尾の直後ということです。

ヤシガニの交尾行動や場所などについては具体的なことが解っていないのですが、精胞を抱えた姿が国内で確認されたのは初めてで、世界でも1971年にマーシャル諸島で1例あるだけです。八重山栽培技術開発センターでは絶滅を回避するヒントにつながると期待しています。

続いてこちらは北谷町の沖合い500メートルの辺り。ここに2年前に植えたサンゴが成長し、卵を持っているのが確認されました。ハンビータウンのすぐ沖で、赤土や生活廃水の影響も受けそうですけど・・・。

最初はこんな数センチの大きさだったのが、水のにごりやオニヒトデなどのプレッシャーを何とか乗り越え、ここまで大きくなりました。ずいぶん大きくなったものもあります!そして産卵が始まりました!

サンゴを株分けし、小指ほどの大きさから大きくしていくのも並み大抵ではないのですが、成長して産卵する姿が撮影されるのは国内ではまだ例がありません。

北谷町の漁業組合と共に2003年からサンゴの移植に取り組んできた金城浩二さんは「大自然を相手にこんなことをしても無駄ともいわれたけれども、この姿を見て、すべての苦労が報われた」と感激していました。

うれしくなる映像ですけれど、ここまで天敵の貝やオニヒトデを採ったり、大変な労力でした。ヤシガニにしてもサンゴにしても、健全に繁殖していく状態に戻す難しさがわかります。