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国全体が戦争へ突き進んだ時代に戦争の悲惨さを作品で訴えたドイツと日本のふたりの画家の作品展が、宜野湾市の佐喜真美術館で開かれています。ドイツの美術家、ケーテ・コルヴィッツは生涯で2つの世界大戦を体験し、息子と孫をそれぞれの戦争で亡くしました。

戦争を否定する言論が押しつぶされた時代に、コルヴィッツは肉親を亡くした家族の深い悲しみを表現し「命の尊さ」を訴えました。そのコルヴィッツに傾倒し、原爆をテーマに戦争の苦しみを描き続けてきた版画家が上野誠です。

美術館の佐喜真館長は「日本の社会も沖縄の社会も戦争の霧が立ち込めている。本当は何なのか、深い表現の前に立つと気づくんですね」と語り、有事法の制定や防衛庁の昇格など戦争へ導く環境が作られつつある今だからこそ二人の作品を見てほしいと話していました。作品展は来月19日まで開かれています。