2013年4月30日 18時40分

そもつま! 日本国憲法について

日頃疑問に思うことを、そもそも・つまり何なのか解説する「そもつま」のコーナーです。きょうは「日本国憲法」について、草柳さんです。

誰もがご存知の日本国憲法ですが、きょうは改めて何が書かれているのか、復習しましょう。

憲法は、前文+11章103条、比較的短いんですが、日本という国の進むべき道が定められています。

具体的には、第1条で国民主権、第9条で平和主義、第11条で基本的人権の尊重、これが日本国憲法の掲げる3つの基本原理です。憲法は、大事なことから書かれているとよく言われるのですが、確かに最初の11条できちんと基本原理を示しています。

『憲法も法律なのか?憲法と法律との違いは?』

確かに国の最高法規ですから、法律のようでもありますが、法律とは根本的に違うところもあります。

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法律は、例えば泥棒をしてはいけませんよというように、人(国民)に命令するものですが、憲法は国が国民に対して、人権を守ります、戦争をしません、と約束をしているものです。

法律は「人」が守るもの、憲法は「国」が守るものという違いがあります。

ちなみに、宮沢喜一元総理は常にポケットの中に小さな憲法の本を入れていて、政権運営に迷った際に、国民との約束はどうなっていたか必ず読み返していた、最後はボロボロになっていたというエピソードがあります。

『ところで、最近憲法改正の声が聞こえてきますよね?どういうこと?』

こちらを見てください「硬い?軟らかい?」改正しやすい憲法か、改正しにくい憲法かは実は「硬さ」で表されます。改正しにくいものが「硬性憲法」、比較的改正しやすいものが「軟性憲法」と呼ばれます。

通常の法律よりも改正の要件が厳しいかどうか、ということなんですが、もちろん日本国憲法は改正の要件も厳格ですし、そもそもこれまで1度も改正されていませんから「硬性憲法」に入ります。

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ではほかの国々はどうなっているでしょうか。アメリカ6回、ドイツ57回、フランス27回、中国9回、韓国9回。これは戦後だけの改憲回数ですが、日本に比べると各国ともかなり改正されてます。なぜこんなに差があるのでしょうか。琉球大学法科大学院の高良鉄美先生に伺いました。

琉球大学法科大学院・高良鉄美教授「日本国憲法を作る時に、非常に先端のというんでしょうか、そういうものを集めようということで、当時、これからの戦後の世界、新しい世界を作るための重要な規範というんですか、そういうものを集めてきていろいろ研究した。かなり先を進んで、20世紀どころじゃなくて、21世紀、そこを見据えた憲法になっていた。外国で不都合なもので変わってきたものが、もうすでに日本の憲法の中に入っている。それが変わらない理由だと思います」

つまり、他の国は時代に合わせて改正する必要があったんだけれども、日本国憲法はかなり時代の先を行っていたので変える必要がなかったということなんです。

ところが、最近、この憲法を変えようという動きが盛んです。

安倍総理は、まずは憲法の改正について定めている憲法96条を改正しようとしています。現在は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で発議、国民投票の過半数の賛成が必要です。

自民党の憲法改正草案では、これを各議院の過半数の賛成で国民投票ができるようにするとしています。つまり、憲法改正の発議がしやすくなるように改正しようという動きなんです。

『そのほかの重要な条文まで改正されていきそうですね…』

憲法改正議論、行きつく先はズバリここです!「理想」か「現実か」。

実現は難しくても常に理想としての憲法を掲げておくのか、あるいは、今ある現実の方に憲法を引っ張ってくるのか。もう一度、高良先生に聞いてみましょう。

高良教授「憲法というのは規範なので、あるべき姿を描くわけです。それに向かって現実を引っ張っていかないといけない。憲法が簡単に変わると、これは権力の思うままに変えられてしまうということになるので、憲法は簡単には変えられないようにできている。これが現代の国家では主流。これを普通のような形でドンドン変えやすいようにするというのは、もうそれだけで憲法としての価値とか意義というのを見失ってる国ということになってしまう」

日本国憲法、30分くらいで読めますから、是非1度、全103条、読んでみてください。そもつまでした。

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