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プロバスケットボールのBリーグが開幕し盛り上がっていますが宮城県にあるチーム・仙台89ERS(エイティナイナーズ)では今年引退を表明した元琉球ゴールデンキングスの金城茂之さんが新たな道を歩み始めています。引退時に語った思いをお伝えします。

今月3日。Bリーグ2部の仙台89ERS(エイティナイナーズ)がシーズン初勝利を飾ったホームゲームの後に行われたセレモニー。チームメイトのTシャツやファンの持つボードには「TAHNK YOU SHIGE」の文字。

金城茂之さん「きょう勝ってくれたチームの皆さん、明るい雰囲気でセレモニーができてすごく安心しています。そして何よりチームを支えてくれるファンの皆さん、応援・サポートありがとうございます!心から感謝しています」

2007年に誕生した、琉球ゴールデンキングス。その時からキングスのコートに立っていたのがちょんまげ姿がトレードマークの金城茂之さん。キングスの顔として12年間プレーし続けたその姿からつけられた名前は「ミスターキングス」。

これまでの功績が称えられ、金城さんの背番号「6」はキングスの中で永久欠番となっています。今年現役引退を表明した金城さんは2年間プレーした仙台で今シーズンからアシスタントコーチとして新たな道を歩み始めています。そんな金城さんが引退を発表した直後の今年7月QABのカメラに思いを語っていました。

Q:現役に未練はないですか?金城茂之さん「ちょうど1年前の自分はバスケットボール選手にしがみついている自分がいたんですけど」「まったく未知のものに今から進むんだという不安もありますけどでも、また次もバスケットに関わることができるのはすごく幸せなことなので」

ミスターキングス 新たな道へ

14年間のプロとしての現役生活を終えて今シーズンからBリーグ2部の仙台89ERSで初めてアシスタントコーチをつとめる金城茂之さん。引退セレモニーではこれまでともに戦ってきた人々からメッセージが送られました。

琉球ゴールデンキングス 桶谷大 HC「これからもぜひ新しい金城茂之を見せてください期待しています」

国体やキングスでともにプレーした 友利健哉 選手「しーげーとは昔からずっと試合をしていましたし同じチームで国体に出たりキングスの時も一緒に戦った中で本当に一番良いときにけがをして、それを乗り越えてここまで現役としてプレーし続けたことにいつもすごく刺激を受けていました」

2009年、プレーヤーとしての最盛期に金城さんを襲った右膝の前十字靭帯断裂の大けが。手術を重ねること4回。プレーこそできるようにはなったものの武器にしていたスピードなどは失うことに。

金城茂之さん「全然思い描いていたバスケット選手の人生ではなかったんですけど、いろいろな人に支えてもらって今の自分があると思うので、そのおかげで14年間もバスケットのプロ選手として活動できたので感謝の気持ちがすごい大きいですね」

ミスターキングス 新たな道へ

良い思いも苦しい思いも味わったプロ生活。金城さんはこうした自身の経験を子どもたちに伝えようと、昨シーズンバスケットボール教室を開催しました。これが転機となります。

金城茂之さん「目の前で子どもたちが本当に小さなことでもクリアして、それを喜ぶ姿を見たり間近で成功体験を一緒に感じていくうちに自分がバスケットをして点を取りたいという気持ちよりはバスケットを教える楽しさに気付いてしまったということのほうが引退に繋がったかなと思います」

後進の育成にやりがいを感じ指導者としての道を歩み始めた金城さん。今年4月には教室や講演会を企画する合同会社を設立。会社名は「TRY ERROR RETRY」。

金城茂之さん「言葉の通りなんですけど挑戦・失敗・再挑戦といってこの言葉は僕のプロ人生にすごい似ているなと思っていて、僕自身すごく気に入っている言葉なので、それをそのまま使わせていただきました」

そしてBリーグでは、昨シーズンまでキングスの指揮を執っていた藤田ヘッドコーチとともにB2の仙台をトップリーグ、B1へと導く挑戦が始まりました。金城さん自身もまた「TRY ERROR RETRY」の日々がスタートしました。

金城茂之さん「毎日努力して、そのうえで得たものをコーチとしても自分の起こした会社でも、とにかく沖縄のために全部持って帰れるように頑張っていきたいと思います」

Q:仙台がB1に上がればいずれキングスと対戦するときが来るそうですね笑 金城茂之さん「僕らがB1にあがった際にはもし沖縄アリーナに敵として現れた場合は激しいブーイングで迎え入れてくれたらと思います」

ミスターキングス 新たな道へ