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辺野古の新基地建設反対や誰一人取り残さない社会の実現を掲げて当選した玉城知事の就任から2年となり、任期の折り返しを迎えました。沖縄が抱えてきた問題に加え新たな難局への対応も迫られた知事のこれまでを振り返ります。

玉城知事「誰1人取り残すことのない沖縄らしい優しい社会を実現するという信念を持ち、沖縄らしいSDGsの推進や子どもの貧困、基地負担の軽減など沖縄が抱える課題の解決に一生懸命取り組んでまいりました」

おととい就任から2年を迎えた玉城知事。この2年は、公約として掲げていた辺野古新基地建設の阻止や「誰一人取り残さない社会」の実現に向け取り組んできたと振り返りました。

Qプラスリポート 玉城知事「困難重なった」2年目を振り返る

公約の大きな柱である辺野古の問題をめぐっては玉城知事誕生のおよそ2カ月後に政府は土砂の投入を強行。

国はその後も工事を進め、4月には大浦湾に広がる軟弱地盤を補強して埋立工事を進めるため設計変更を県に申請していますが、玉城知事はこれを認めない構えです。

辺野古の工事は先月、最初に土砂を投入した区域で高さ3.1メートルまでの埋立が終わりました。

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知事は何度も政府に対話による解決を求めていますが、問題解決の糸口が見つからず、県と政府の溝は深まるばかりです。

玉城知事「昨年から振り返ると、この知事就任2年目は首里城の火災に始まり、今年に入って豚熱の発生、そして新型コロナの感染拡大など、沖縄にとって非常に困難な時期が重なってしまっていると思う」

2年目を「困難な時期が重なった」と表現した玉城知事。言葉通り、これまでにない難局に対峙した年でした。

今月末に発生から1年となる首里城火災。発生当時、韓国へ出張中だった玉城知事は急遽沖縄へ戻り、対応に追われました。出火原因の特定には至っていないものの、在りし日の姿を取り戻すため、早期復旧・復興への道筋が立てられている途中です。

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首里城の焼失による喪失感が残る中、年明け早々、33年ぶりとなる豚熱が発生。この影響でおよそ1万2000頭あまりの豚が殺処分され、沖縄の食文化を支える養豚業に大きな影響が出ました。

これを受け、県は県内で飼育されているすべての豚へのワクチンの接種を完了させましたが、被害を受けた農家が経営を立て直すための取り組みが急がれます。

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そして現在も大きな影響が続いている新型コロナの感染拡大。県民生活に大きな制約や影響が出たほか、リーディング産業である観光業に甚大な被害が出ています。

県はこれまで総額およそ1179億円にもおよぶ補正予算で水際対策の強化や事業者への支援を進めていますが、影響は長引くとみられるなか、落ち込んだ県経済をどのように立て直すのか対応が求められています。

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玉城知事「(Q:就任2年を迎えて自分自身に点数をつけるとしたら何点?)せめて4年間の中の折り返しということで50点。これまでは一生懸命がんばって100点を目指して、なんとか50点をやってこれているのではないかということにしておきたい」

自らのこの2年を50点と評価した玉城知事。辺野古、子どもの貧困などのこれまで抱えてきた課題と首里城や新型コロナなどの新たに向き合っている問題。さらに今後は次期沖縄振興計画の策定など、多くの課題が山積する中、玉城知事は2年後、自らに何点をつけるのでしょうか。

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ここからは船越記者です。就任2年目は難しいかじ取りを迫られた1年となりましたが、今年は知事の中間テストとも位置付けられた県議選もありましたね。

船越記者「知事を支える与党は過半数をなんとか維持するも(改選前から)議席数を減らしました。その後の選挙でも、オール沖縄が推す候補が連敗するなど、オール沖縄の弱体化や知事の求心力の低下を指摘する声もあがっています。もともとすべての政策や方向性が一致しているわけではない中、ほころびが見え始めているオール沖縄を次の衆院選も見据え、どう再構築させるかがポイントとなりそうです」

任期は残り2年と折り返し地点、今後はどのような県政運営が求められるんでしょうか。

船越記者「重要政策として、辺野古新基地建設問題や来年度に期限切れとなる沖縄振興計画の策定があります。辺野古をめぐって、国が出した設計変更申請を知事は認めない構えですが、その判断は年明け以降になるとみられていて、国とどのように対峙していくのかが注目です。また来年度の沖縄関連予算の概算要求も今年度の要求より減額するなど、沖縄に対する厳しい姿勢が表れるなか、知事はあす官邸を訪れる予定で国とどのように向き合うかが重要になります」

自らの基盤固め、そして政策面どちらも知事の手腕が問われる2年となりそうです。船越記者でした。