ひとり親の話題を続けます、県はひとり親の就労を支えようと「ひとり親就労チャレンジ」という事業も行っています。職を求める親が県母子寡婦連合会で面談、受け入れ企業での訓練を経て就職を叶えています。
一方で働き方や環境の整備など、受け入れ企業にも柔軟な対応が求められています。支援事業の今を取材しました。
今年2月、県の商工会議所青年部と母子寡婦連合会が結んだひとり親の雇用を推進する連携協定、雇用を前提に職場訓練が行える企業は現在およそ60社、その数は徐々に広がりを見せています。
県商工会議所青年部 新垣安達会長「ミスマッチが起きなければ僕らでもそうだけど」「働く側からしてもありがたいのかな」「僕らも努力していかないといけないと思っている」
ひとり親の就労を企業に呼びかけ受け入れ先を増やす、その取り組みが動き始めています。
今回、顔や声が特定されない形で取材に応じてくれた訓練生Aさん。ひとり親として子育てしながら、この春、新生活をスタートさせました。
Aさん(代読)「がんを患い、手術や治療を受けながら働き続けることは簡単ではなかったです」
南城市にある「アイビス」ここは障害などを持つ人が継続的に仕事ができるように支援する福祉事業所です。今月から働いている訓練生のAさんは職業指導員として利用者に作業を教えながら現場での経験を積んでいます。
この日は訓練が始まって5日目、ある変化も起きていました。
事業所の担当 新垣さん「初日からいろいろアイデアを出してくれたり」「積極的に営業に行かれたりとか、2~3日でされているので」
与えられた仕事だけでなく農家に自ら声をかけ、利用者に作業をしてもらうなど、施設の新たな仕事につなげたのです。
事業所の担当者「元気が出るというか、みんなの活気づけになっている」
去年12月、フルタイムで働いていた職場退職したAさん、子どもたちを預ける保育園や幼稚園が休みとなる日曜・祝日勤務を命じられましたが対応できず、自己都合での退職を余儀なくされました。
さらにがんを患ったことで手術や半年を越える抗がん剤治療を乗り越えて働き続けることは簡単ではありませんでした。この職場では不安を抱えるAさんにとって、もう一度チャレンジしてみようという気持ちにさせてくれました。
Aさん(代読)「勤務する曜日も柔軟に対応してくれて、状況次第では子連れ出社が可能という部分に救われ感謝しています」
職場は子どもを抱えながらの働き方が叶う環境なのか?その見極めがひとり親の就労継続にもつながっていきます。
事業所の担当 新垣さん「お子様の体調変化で急なお休みとかあった場合」「臨機応変に対応できる体制をとっている」「急な早退とかに対応できる形で会社づくりを進めている」
県母連スタッフ「仕事が広がりますね~ よかったよかった」
この日、就労支援のマッチングをした県母子会のスタッフも訓練生の様子の確認に訪れていました。
県母連スタッフ「こんな感じで働いているところに」「うまくなじんでいる」「空気感というか邪魔しない自然な感じで」「何も心配ない」「安心しておまかせできて、彼女も笑顔で楽しそうに働いている」「安心」「このまま就労するまで頑張ってくれたら」
決して長い時間働けなくても、たとえ体調に不安があっても、一人ひとりに合った働き方、環境さえ見つかれば仕事は続けることができます。
ここからは取材した比嘉鈴代記者です。この「ひとり親就労チャレンジ事業」にはどんな背景があるのでしょうか?
比嘉鈴代記者「こちらをご覧ください、県が行ったひとり親の調査で分かった現状です」「県内では正規雇用の割合が46.7%と低いこと、ひとり親世帯の年間の総収入が200万円未満の割合が正規雇用・非正規雇用ともに38.4%、全国よりも割合が高いことが分かりました」
比嘉鈴代記者「続いてこちら、転職についてです、母子世帯の40.4%が2回から5回以上の転職を経験、また母子世帯で転職を希望している割合が30.6%います。おもな理由が『職場環境になじめない』『身分が安定していない』などです」
「これまで県は、このような形で資格取得など個人のスキルアップを中心に支援を行っていました。しかし、見えてきた課題というのがこちらです。子育てなどのため、就労時間の制約があり、ミスマッチなどから就労の定着につながりにくかった現状があったと県の担当者は話していました」
「そこで去年8月に県では、ひとり親就労支援の新たな取り組みをスタートさせました。就労に不安を抱えるひとり親の『チャレンジする気持ち』をバックアップし、インターンシップ就労の機会を設けると同時に、様々な業種で就労の選択肢を広げるなど、先を見据えた支援をやっていこうと取り組んでいるところです」
受け入れ企業はまだ限られていますね?
比嘉鈴代記者「はい、現在受け入れ企業の登録は約60社です」「ただ今回、経済団体の商工会議所青年部との連携が始まったことで、今後の就労の選択肢の幅も広がりそうです。一方で、子どもの体調や行事などで働く時間に制約があるケースもあります」
企業側の理解が重要ですね。
比嘉鈴代記者「はい、仕事に関して望む支援としては『終業時刻の繰り上げ、繰り下げ』『短時間や在宅』など、柔軟な働き方を広げていける環境が求められています。長時間での働きができなくても、それぞれにあった働き方が叶えば就労の可能性はもっと広がると感じました」
「Aさんは『手術や抗がん剤治療を受けながらの子育ては友人や県母子会の家事支援を受けながら乗り越えることができた』さらに『就労までつなげてもらえたことが前に進むきっかけになった』と話していました。訓練期間3週間を終えてAさんは継続雇用となり、現在、週3日の勤務で就業しています。畑作業や新商品の開発に取り組み、精力的に仕事に励んでいるということです」
「企業や県、支援団体の取り組みから見えてきたのは『働けるか』『働けないか』ではなく『どのようにしたら仕事が無理なく続けられる』方法があるのかです」
ここまで比嘉記者でした。
QABではひとり親家庭を応援する「羽ばたけQごろ~募金」を行っています、どうぞよろしくお願いします。
