ここからは、沖縄で今を生きる人にスポットを当てる「IMAGINE おきなわ」です。沖縄から県外へ、月に何度も通いながら、世界で活躍するパフォーマーを目指しているある女子高校生に密着しました。
家族に支えられ、交通費や滞在費などを切り詰めながらも、挑戦し続けるそのワケとは?
世界の舞台に活躍の場を広げる沖縄市出身の高校生モデル、藤田メイ。東京、アメリカ、ロンドンなど国内外を飛び回り、ステージに立ち続けるその裏で。
藤田メイさん「きょうは空港で過ごそうかなと思ってます。このままここにいます、滞在です」
決して楽しいだけではない、プロへの道。沖縄から世界へ。現役女子高生モデルの挑戦を追いました。メイさんが通うのは本島中部にある北中城高校。明るくて優しい彼女の周りにはいつも友だちが集まります。

Q.いつも放課後は何を?
藤田メイさん「いつも放課後は友だちとちょっとだべってからバスで帰ります」「きょうは自主練しようかなと思ってて、このまま帰って準備してから」
幼少期からダンスを踊ることが大好きだったメイさん。中学1年生のとき、母親が見つけたファッションショーのモデル出演をきっかけにこの道へ。これまで国内外の数々の賞を受賞し、ことし2月、世界4大ファッションウィーク「ロンドンファッションウィーク」に県内の高校生として初出演を果たすなど活躍の場を広げています。そんなメイさんに密着すると―
Q.手に持ってるその靴は?
藤田メイさん「練習でよく使うヒールになります。ちょっとボロボロになってきちゃったんですけど、ずっと使ってるヒールなんです」
メイさんは、火曜日にダンス、木曜日にモデルのレッスンに通っています。レッスンがない日は、アメリカ留学の費用を貯めるため、飲食店や介護のアルバイトを掛け持ちしています。
そしてレッスンやアルバイトがない日には自主練習を欠かしません。実は翌月に東京で、「ファンタジー」をテーマにしたファッションショーを控えていて、メイさんは専属モデルを務めるブランドを中心に様々な衣装を着ることが決まっています。
藤田メイさん「いろんなパターンを練習して、衣装が決まったときに適応できるように練習してました」

モデル業が主となっている今でも大好きなダンスを続けています。
藤田メイさん「(ダンスをしているときは)自分の世界というか、周りのひとを考えないで自分の世界に入れるから好きです。モデルも楽しいしダンスも楽しいからどっちも今は続けながらこれからどうなるかなって感じです。高校卒業してからはアメリカに行きたいなって思ってます」
リハーサルを翌日に控え、母と2人でやってきたメイさん。
Q.きょう前のりだと思うがどう過ごす?
藤田メイさん「リハに向けてきょうは空港で過ごします」
成田空港は、世界123都市とを結ぶ日本の空の玄関口。24時間利用できるこの空港には、乗り継ぎ便を待つ多くの利用客が深夜でも滞在しています。
藤田メイさん「いつもは椅子を並べて、自分が寝られる範囲の子を並べて寝るって感じです」
メイさんは東京を中心に月2回以上、県外で活動していますが、その分ネックになるのが航空費を含む移動費。出演料などを遠征の足しにはしているもののマイナスのほうが大きく、費用をおさえるため母と空港で一夜を過ごします。

藤田メイさん「行きはいいんですけど帰りは、本番集中して疲れてて空港泊だからちょっと寝れなかったりします。東京に行って経験するのと沖縄で経験するのは全然違うなって思うから空港泊する甲斐があります」
母・弥生さん「こうやって節約することで次も行けたりだとか、何回か節約したら1回飛行機乗れるやんみたいな、私の頭の中では常にそんな感じ」「(メイは)頑張るし、それで結果も出してくれるし、だったらサポートするしかないやんって思うし」
2人はこの後、無事にスペースを確保。いつもと同じようにこのまま朝を迎えます。
本番当日。会場には幼い子どもから大人までのモデルが顔をそろえます。1人1人メイクがされていく中、メイさんにはふわふわな髪質を活かしたヘアメイクが施されます。
藤田メイさん「メイクも髪の毛も新鮮でかわいいなって思います。だいたい本番直前までは緊張しているんですが始まったら楽しむだけって感じです」
このショーは、メイさんを中学生から指導する先生が主催していて、本番直前のリハーサルで、最後の立ち位置をチェック。いよいよ本番です。

普段の高校生らしい姿とは対照的にステージで見せる表情は観客を魅了します
イベント主催者・健ちゃん先生「ショーやる上でも目立つところに置いちゃうし、トップバッターにするとかとりにしちゃうし。とびぬけてますよね。メイちゃんみたいな子が沖縄にいると本土組からしても刺激になるし、本土のイベントにメイちゃんが来てくれてもあの子存在感あるな、負けてられないみたいな感じで刺激しあってるから面白いです」
この日、メイさんは7つのステージをこなし、誰よりも多くの服を着てランウェイを歩きました。
藤田メイさん「いっぱい拍手してくれる人が多くてそれが自信にもなって、トラブルもありつつ臨機応変に対応できて、いいショーだったと思います。自分がこうやって東京に来たりして、沖縄は飛行機でしか県外に出れないけどそれでも自分をみて自信をもって来ても大丈夫なんだとか少しでも安心感とか自信になればいいなと思っています」
モデルか?ダンサーか?これから進む道をを迷いながらも世界で活躍するパフォーマーを目指すメイさん!挑戦は続きます。
今後の活動についてですが、メイさんが専属モデルをしているブランドが、来月、関西万博のでファッションショーを開催する予定で、そのステージに立つことが決まっています。
沖縄から世界をめざすメイさんにとって新たな一歩になりそうですね。ここまで、IMAGINEおきなわをお伝えしました。