首里城の今と人々の思いを紹介する「週刊首里城」です。平成・令和と復元に携わる建設会社では新たな知見から得た”石彫刻の製作”が進んでいます。今回は作業に励む女性を取材しました。
来年秋の完成を目指す首里城正殿。外壁の塗装工事が終わり正殿を覆っていた素屋根や木材倉庫の解体が進んでいます。日本で唯一の朱色の城。6年ぶりに姿を見せる”その時”が近づいています。

津波夏希さん「高欄に階段と基壇上に獅子が12体。その獅子の施工原型を作った。その中の2体の石獅子も彫刻でつくらせてもらっている」
県立芸大を卒業後、大学で非常勤講師を務めたことをきっかけに多くの職人と復元の作業に取り組む津波夏希さん。石獅子を彫る石工(いしく)だけでなく正殿2階・御差床(うさすか)の龍柱や鬼瓦・石獅子の原型にも携わっています。
津波夏希さん「石の職人さんたちに混ぜてもらって作っている。石を扱っている職人さんたちは作業のスピードがすごく速くて。それに追いつくのに必死という感じ」

専門は塑像(そぞう)粘土や油土(ゆど)などで肉付けして作る像のことで原型づくりにもその手法が用いられています。
津波夏希さん「自分が今までやっていた塑像(そぞう)とは違う。力強さみたいなものがあるので、できた時の形、石が持つ強さみたいなものが獅子の形とできあがった時にすごいな。石がすごいなというふうに思う」
自身が作った原型をもとに彫り進める石獅子。この獅子も令和の復元で往時に近い形になる予定です。

津波夏希さん「平成の時は玉陵の獅子を参考にしたと聞いていて。今回は博物館にある獅子顔の部分が残っていたので玉陵よりは顔の部分が残っている獅子を参考にして作っているので、前回のものとはだいぶ違うのではないか」「6体は私が復元させてもらって残りの6体は西村先生が作られていたので、顔は一つひとつ違うけどちょっとずつ庭(ウナー)に獅子が向いているのも今回・前回と違う点なので角度とかも顔が違うところになる」
復元に力を尽くす津覇さんにとって”首里城の再建”とは?

津波夏希さん「令和の最高の首里城ここにあり~津波夏希~」「今やっている石彫刻以外にも木彫刻・漆 すべての芸術・技術。今ある最高のものを出して造っている首里城を早くみんなに見てもらえたらと考えている」
令和の復元で、「首里城の遺物」と見られるものが発見されたのでそれを参考に、造形を一からやり直してつくられたということです。平成とは異なる獅子の表情・姿に注目です!