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県内で発生した事件事故・身近な社会問題を特集する真相フカボリ!!今回は県内で増え続ける放置船の現状について取材しました。儀間記者のリポートです。

儀間記者「那覇市の泊漁港にやってきました、目の前に見える巨大な船の数々、実はもう使われていない、放置されてしまった廃船なんです」

那覇市の泊漁港。その一角に無造作に陸揚げされた船の数々…所有者と連絡が付かず長年、野ざらしになっている放置船です。その数は13隻以上…中には60トンクラスのマグロ漁船まで含まれていて、数十年以上、放置され続けているものもあります。

儀間記者「あ、船体の塗装が剥がれていますね、、上の方には木が生えてしまっています。ガジュマルでしょうか長い間放置されてしまっていた様子が伝わってきます」

真相フカボリ!!「増加する放置船の実態とは!?」

この様な放置船が今、県内各地で増えているといいます。国土交通省などが4年ごとに実施している、ヨットやモーターボートなどのプレジャーボートの実態調査によると2022年度の調査で県内で登録のある3126隻のうち1341隻が放置船と認定。全体のおよそ4割が放置船ということになります。

儀間記者「糸満漁港に来ているんですが、ありましたね複数の漁船やこちら観光船でしょうか、一ヵ所にまとめらた状態で放置されています」

県が管理する県内の漁港内でも放置船は増え続けています。前年度の調査では前の年から6隻増加の535隻と、年々増加傾向にある事が分かります。

山内さん「2隻とも燃えて煙がタンクの方にいっちゃって、消火にだいぶ時間かかったんですね」

こう語るのは那覇地区漁業協同組合・組合長の山内さん。泊漁港に放置されていた船が、過去に火災を起こし、非常に危険な状況になったと話します。

山内さん「煙がかかってたんだよね、危ない。泊大橋まで真っ黒い煙がもう..煙で覆われてしまって、通行止めになったんですよ。向こう側に県漁連所有の燃料タンクがあるので(火が)近かったんですね。」

2015年12月、泊漁港の放置船2隻が火災により全焼近くには漁協関係者が使用する燃料タンクがありあわや引火する寸前だったといいます。

真相フカボリ!!「増加する放置船の実態とは!?」

このように使われていない船舶が放置される続ける事で火災などの二次災害に繋がる危険性や、不法投棄などでゴミが散乱し周辺環境に悪影響を与える事が問題になっています。実際に泊漁港に放置されている漁船を確認すると、船底が破損し、燃料やオイルが漏れだしていました。また、付近には割れたガラスが散乱し非常に危険な状態に。

山内さん「その放置されている事によって現役で漁業を営んでいる者の邪魔になるわけですから、危険な物体としてそこにある訳ですから大変迷惑なんですよ。これは我々のチカラだけではどうにもできません」

なぜ、放置船は増え続けるのか。県漁港漁場課の仲地課長はその理由をこう分析します。

県漁港漁場課 仲地課長「漁業者自体が減少していてる、又は高齢化が進んでいる現状で、漁をする方が少なくなると、漁船が利用されなくなってそのまま放置されるような状態があります」

漁業者の高齢化…後継者不足にも拍車がかかり、増え続けている放置船。しかし処分が簡単にはいかない、ある事情が。

県漁港漁場課 仲地課長「その船を処分してもらったらいいんですけど、経済的な理由等もあって処分できず漁港内に放置しているという現状があります」

真相フカボリ!!「増加する放置船の実態とは!?」

船舶にはFRPと呼ばれる繊維強化プラスチックが使用されていて簡単にはリサイクルが出来ない特殊な素材となっています。その要因もあり、大きさにもよりますが、漁船1隻の解体費用は最低でも200万円以上と言われていて、19トンクラスのマグロ漁船では、およそ1500万円の解体費用がかかるといいます。

儀間記者「こちらを見てください、撤去を促す勧告文が貼られていますね。所有者から返信がないのか、複数回に渡って貼られた形跡があります」

県では、こうした放置船を減らそうと、放置船の所有者を特定し、粘り強く連絡を取っていますが所有者から返信がないケースは少なくありません。

また、所有者が特定できても、既に所有者が死亡していたり、所有者やその親族が、高額な解体費用を個人で捻出できないケースも多く結果、放置船に繋がってしまう現状があるといいます。

県は所有者が不明な放置船を、県独自の予算や国の補助金を活用するなどして年間30隻の処分を目標に掲げていますが、2022年の処理数は目標の半数程度。   放置船の処分には費用面意外にもハードルがあるといいます。

真相フカボリ!!「増加する放置船の実態とは!?」

仲地課長「(所有者)不明という事で県の方で勝手に処分が出来るかというと出来なくてですね、しっかり所有者が本当に探せないかという事を調べないといけない。といったところで処分が出来ない。または処分するにあたってしっかり法律相談等も踏まえて進めていくという所が、簡単に進まない一つの原因となっています」

放置船の処分に割ける県の予算も限られる中所有者の有無を明確にしなければ、法律が壁となり行政の判断だけでは処分が出来ない現状…

一刻も早く処分を進めて欲しい漁協関係者と処分に試行錯誤する県。しかし、この問題を根本的に解決するには利用者の意識を変えてもらう必要があると、仲地課長は話します。

仲地課長「漁業者又は漁業以外で船を利用する方については船を購入した際は、最終的には処分が伴うというのを意識いた上でですね船を利用しながら最後は(自ら)片付ける意識を持って頂けたらなと考えております」

放置船の処理について相談したい方がいればご覧の県の出先機関にお問合せください。