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那覇市に古くからある歓楽街の地域で「新たな魅力」を発信する動きがあります。地域が抱える課題と向き合いながら挑戦する様子を取材しました。

那覇市で唯一の海水浴場・波の上ビーチ。その目の前にオープンしたある施設。

訪れた人「うれしいよね」「おしゃれなホテルができて」「おしゃれなところってこの辺でありそうでなかったので」「ビーチも近いので海で遊びがてら休憩もできていいなと思いました」

この施設には、ホテルのほかに…県内で水揚げされた新鮮な魚を中心に、こだわりの調理法でメニューを提供するレストランを構えました。

地域の可能性に懸けるレストラン

ナノ・アソシエイツ沖縄 浅雄一さん「こんなに良いロケーションはないと感じていて神社もあるし、ビーチも目の前だしクルーズ船の港もあるし、すごく良い立地なのになんで今まで開発されてこなかったんだろうという感じ」

オーナーをつとめる浅雄一さんは、企業や官公庁からの依頼を受けて地域の商業や観光をプロデュースする〝まちづくりのスペシャリスト〟20年近くに渡って全国各地の地域活性化に取り組んできました。

地域の可能性に懸けるレストラン

沖縄でのきっかけは5年前。地域の街づくりと魅力を発信したいと、豊見城市瀬長島にレストランを開業しました。

営業を続ける中でより多くの人にゆっくりとした時間を提供し、自慢の料理を味わってもらいたいと新たな展開を模索。その場所を探しました。

そして構想から1年以上を経てホテル・レストラン・バーを備えた複合施設を、那覇市の若狭エリアにつくることを決めました。

ナノ・アソシエイツ沖縄 浅雄一さん「もっと広い目で見れば、世界中にはもっときれいなビーチもいっぱいあるし、青い海とかきれいな自然とかそういうものはいくらでもあると思っていて」

古くから県内有数の歓楽街として栄えてきた那覇市若狭。華やかな街のイメージがある一方で県民の中には「治安が良くない」といった印象を持つ人もいます。浅さんはこの施設を起点に新たな地域の魅力を発信していきたいと考えています

ナノ・アソシエイツ沖縄 浅雄一さん「そこに今まで何もなかったとか社会的な課題があった、という地域もよくよく見ていけばいろんな魅力があったり、いろんな資源があったりするところを見出して、その地域の魅力をひとつの拠点からつくっていく」

地域の可能性に懸けるレストラン

地域に新たなにぎわいを生み出すために店が取り組むのは〝県産の魚のおいしさを知ってもらうこと〟 看板メニューのフィッシュバーガーには、シイラやメカジキ・ソデイカといった3種類の県産魚が使われ、素材によってミンチや角切りにするなど加工の仕方を変えています。脂が少ない沖縄の魚は揚げるとパサついてしまいがちですが、そうした工夫で食感よくジューシーに仕上げているのです。

ナノ・アソシエイツ沖縄 浅雄一さん「沖縄に来始めたころ周りの方々から「沖縄の魚っておいしくないよね」という言葉をすごくたくさん聞きました」「地域の食材というのはそれぞれ個性だと思うので、沖縄の魚もこうやって調理すればすごくおいしくなる」「沖縄の食文化を拾いながら魚の魅力新しい可能性をつくっていくのが、飲食店の役割なのかなと感じています」

レストランが運営するホテルの客室には、県産木材を使った大きなダイニングテーブルが置かれ好きな時に好きなだけ料理を味わうことができるサービスが。さらにオリジナルの館内着がゆったりとした時間を演出します。

地域の可能性に懸けるレストラン

そしてビーチが一望できる屋上テラスを備えたバーでは、こだわりのメニューとともに思い思いの時間を過ごせます。辺り一面が茜色に染まるサンセットも自慢のひとつ。

ナノ・アソシエイツ沖縄 浅雄一さん「僕も出店したいなとか、新しいこと始めたいな、みたいな人たちがどんどん集まってくると、このエリアに多様性が生まれて観光地としてもひとつの町としても盛り上がっていくのかなと考えています」

新しい施設とまちが融合し、地域の新たな魅力を共有できる空間は作り出せるのか?挑戦は始まったばかりです。

地域の可能性に懸けるレストラン

ナノ・アソシエイツ沖縄 浅雄一さん「そこに何があるかということで、まちのイメージってつくられていくと思うんですよね。ここを楽しく盛り上げるような場をつくれれば、この地域全体のイメージも変わってきて、ビーチと神社と観光客も地元の方も一緒に楽しんでいけるような場に変わっていくんじゃないかなと考えています」