※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

県内各地の海上に今もなお押し寄せ続ける”軽石”で海の中は、果たしてどうなっているのでしょうか?。水中カメラマンが潜ってみると、これまで見たことのない異様な光景が広がっていました。

水中カメラマンの長田勇さんが10月30日に恩納村の海に潜って撮影した映像です。透明な海の中でサンゴのまわりを色とりどりの魚たちが泳いでいます。ただ、その上には大量の軽石がありました。

太陽の光は遮られていてまるで、黒くて厚い雲に覆われたように真っ暗になっています。恩納村の海には、漂ううちに砕けて細かくなった無数の小さな軽石が海面に浮いていました。

さらに、シュノーケリングやダイビングの人気スポット「青の洞窟」には蓋を落としたみたいにびっしりと軽石が流れ込んでいた場所もありました。

撮影した長田さんは「太陽の光が届かなくなり、サンゴが光合成できずに死んでしまう可能性がある」と心配をしていました。軽石は海の中だけでなく小さな離島にも影を落としています。

港に軽石が押し寄せたため先週、定期船の欠航を余儀なくされた久高島では11月2日から本格的な撤去作業が始まる予定です。

久高区 内間一浩さん「やっぱり、海を隔てているもんだから、港に(軽石が)入り込んでくると、もうどうしようもないですよね。なるべく港に入らないような方法を取らないといけないんじゃないかな」

久高島と本島を結ぶ海の便では11月1日も朝の船が出たあと、フェリー2便が欠航していて依然として軽石の影響が続いています。船を運航する久高海運は刻々と変化する軽石の状況を見極めながら運航できるかどうか判断することにしています。

久高診療所 有路春香医師「10カ月の息子がいるので、おむつが買いに行けなくなってしまって足りなくなったので、次はどうしようって困って布おむつに一時的に変えようかっていう話もあったりとか、個人的なところではそういった影響もありました」

島に診療所は1カ所しかなく、島民の医療や健康を支える医師は軽石の影響が長引いて船が出ない状況が続けば高齢者のデイサービスなど生活にも差し障りが出る可能性があると懸念しています。

久高診療所 有路春香医師「島外でのお仕事もあるので、その時間通りにフェリーが運行できないとなるといろいろ支障が出てくるところかなとも思いますし、あとは長期的に、来れなかった場合はリハビリの方やヘルパーの方が来られないと、島民の方の運動能力ですとか、あと食事や入浴の介助の方にも支障が出てくるかなと考えておりました」

島では南城市と漁業関係者たちが協力して汚濁防止膜で港を閉じ切って軽石を除去するなど緊急の対応を続けていて、本格的な作業は11月2日以降になる見通しです。いつ撤去作業を終えられるのかまだ先が見えない状況に島の人たちが頭を抱えています。

漂着軽石 海面の様子 影響続く久高島