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金武町民の飲料水として供給されている地下水で発がん性が指摘されるPFASが高濃度で検出され3カ所の地下水からの取水を止めていることがわかりました。町長は水道水に町内の地下水を使わず県企業局からの水道供給に切り替えたい考えを示しています。

仲間一金武町長は「長い間、地下水に頼って金武町の水道は成り立ってきた経緯があります。地下水の良いところも、これまではありました。他の市町村が断水した時でも、金武町は断水しないといったメリットもあったわけです。けれどこういったものが検出されたことを考えると、100パーセント企業局の水を全町民に供給しようと段取りをとっているところであります」と述べました。

豊富な地下水を利用し、町民に水道水を提供してきた金武町。町が2020年6月に実施した水質検査の結果、金武地区にある水道水から国が定める飲料水の目標値の1・4倍が検出されました。またキャンプハンセンのフェンス際にある取水源、金武3号水源では目標値の8・2倍を検出。同じくフェンス際にある金武4号水源では3・8倍となっていて町はPFASの濃度が高かった3カ所からの取水を止めています。

金武町PFAS検出で地下水取水停止

また河川の広域調査では、キャンプハンセンからレッドビーチに流れる琉球病院上流部で2020年8月、環境水の指針値の3.3倍、2021年1月にはおよそ2.5倍が記録されていました。

金武町に情報開示請求を行った照屋正史さんは次のように述べています。照屋正史さんは「どういう風に汚染が広がっていくかというのは多分、全体調査してみないとわからない。と思います。ぜひ沖縄全体として地下水の調査が必要じゃないかと思います」と話しました。

金武町によると3カ所の地下水から取水を止めたことで減少したのは1日560トン。町ではこれまで地下水で町内の水道水の4割程度をまかなってきましたが、今後は県企業局に供給量を増やしてもらえるよう求めています。ただ、企業局でも供給量をすぐに増やすのは難しいとみていてPFAS問題が沖縄の水の供給に影響を及ぼしていることが浮き彫りになってきました。

金武町PFAS検出で地下水取水停止

一方、アメリカ軍が普天間基地からPFASを含む処理水を公共の下水道に排出した問題で県は、宜野湾浄化センターで実施した下水を調査結果を公表しました。調査は、8月26日にアメリカ軍が処理水を排出したその日に行われました。下水に含まれるPFASの含有量は排出前のおよそ2.1倍になっていたということです。

国が定める環境水の指針値よりは低いものの排出後に濃度が高くなっていることがわかりました。県では、「軍の放出による影響が考えられる」として、今後も継続して調査を続ける方針です。