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チームが始動して初めての大会では、初戦コールド負け。どん底から這い上がったチームの先頭には誰よりも責任感の強いキャプテンの姿がありました。

宜野座「秋の悔しさバネに 主将が見せた背中」

練習前、グラウンドに登場したのは、大きな器に入ったごはんと大量の納豆!学校で昼休みにご飯を炊き、練習前に作った補食は練習に臨む選手たちのパワーになります。夏に向けて食事トレーニングと筋トレを強化し、週一回はトレーニングだけに専念する日も設けて、体づくりに励みます。

安次富彪斗選手「体重は5、6キロは増えました」

選手たちは毎日体重を量り、一覧表に記入。ここまで体づくりにこだわるようになったきっかけは、新チームで迎えた去年の秋の大会でした。

宜野座「秋の悔しさバネに 主将が見せた背中」

大保飛翔主将「秋の大会は一回戦で大差でやられて」

一回戦で0-12の5回コールド負け。力不足を痛感させられた瞬間でした。

安次富彪斗選手「とにかく周りのチームより体がちっちゃいチームなので、ひとまず体を一回り大きくすることから始めて」

佐藤瑠耶選手「負けた時は悔しくて、みんなで頑張ろうという気持ちで冬を越えて頑張りました」

さらに冬は体力や技術だけでなく「発想力」も鍛えてきました。練習中「発想を膨らませろ」と選手たちに何度も言い聞かせるのは新垣隆夫監督。攻撃の時はほとんど「ノーサイン」です。

宜野座「秋の悔しさバネに 主将が見せた背中」

新垣隆夫監督「野球観を育てていかなければいけないので、自分の目で状況を見て、そして自分の頭で判断をして、そして自分の心で決断をして、そして動きなさいと」

「自分で考えて野球をする」それは発想力を豊かにするとともに「野球を楽しむ」ことにもつながっています。

安次富彪斗選手「自由にやっていいというか、楽しんでプレーやれみたいな感じなので、隙があったらすぐ走ったりします」

心身ともに充実し始めた宜野座ナインは、秋の一回戦敗退から躍進し、春はベスト8入りを果たしました。

そんなチームの成長の原動力となった存在がいます。キャプテンの大保飛翔くん。

大保飛翔主将「練習の声が全然出ていなかったりとか、一人一人考えて動けていないとか、チームがばらばらだった」

秋の大敗で、チームに対し強い危機感を抱いた大保くん。そしてその原因が、何よりもキャプテンである自分自身にあると責任を感じていました。

宜野座「秋の悔しさバネに 主将が見せた背中」

選手たちが学んだことや思いを記す野球ノート。大保くんのノートには「キャプテンで負けた」「もうあんな思いをしたくない」など、自らを戒める言葉が書かれていました。

大保飛翔主将「最初の時は自分も練習の取り組み方というか、声も全然出ていなくて、とりあえず自分が頑張らないとついてこないと思った」

新垣隆夫監督「どういうときでも自分がダメだったらこのチームは勝てないという風にして変わってきたのがちょうど11月あたりからですかね。背中で引っ張れる力がついたのに伴って、彼が発する言葉にも力が宿ってきた」

そんなキャプテンの思いは、チームメイトにしっかりと届いていました。

玉城瞬哉選手「普段おちゃらけている部分はあるんですけど、この野球となると切り替えて、チームのために頑張ろうとしている姿は新チームから見てきている」

佐藤瑠耶選手「練習中は真面目に、みんなのことを見ていると思います」

そして、変わり始めたチームから、今度は大保くんが力をもらっています。

宜野座「秋の悔しさバネに 主将が見せた背中」

大保飛翔主将「自分だけじゃなくてみんなが変わってくれたので、あの悔しさを練習中もしっかり胸に持って忘れないで取り組んでいたので。自分のことももっと頑張らないといけないと思っているので、夏は自分がプレーと声でチームを引っ張っていけるようにしたいと思っています」

秋の悔しさを糧に確かな成長を感じた春。それでも宜野座ナインが見ているのはさらなる高みです。

大保飛翔主将「自分は、みんなもそうだと思いますけど、全然ベスト8で満足してないと思うので」

「21世紀枠」の第一号として甲子園で戦い、ベスト4に輝いた「宜野座旋風」から20年。発想力フル活用で攻めの野球を磨き、2001年以来の夏の甲子園出場を狙います。

玉城瞬哉選手「自分のピッチングでチームの勝利に導けるように頑張っていきたいと思います」

佐藤瑠耶選手「自分の目標はホームランを打つことで、みんなで一戦一戦勝ち進んで甲子園を目指すことです」

大保飛翔主将「夏の大会に優勝して、甲子園に行くことです。優勝します」

宜野座「秋の悔しさバネに 主将が見せた背中」