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あすは旧正月ということで、干支の牛にまつわる話題をお届けします。自らの成人式に飼っている闘牛を連れていくほど牛に恋する20歳の女性がいます。沖縄の闘牛界のニューウェーブ、異色のコンビに迫ります!

先月、うるま市でひらかれた成人式に自分の闘牛を連れて出席した女性がいます。20歳の記念に両親から贈られたのは、牛の化粧まわし。

神谷美姫さん「本当にかわいいし、愛おしいし、結婚したいくらい。」

闘牛会の異色コンビ

普段ギャル系ファッションでキメていても…。

美姫さん「牛かきになるんですよ。これのかわりになります。」

牛のためなら自慢のネイルでブラッシングすることさえ厭わない、モーレツに牛を愛する彼女の素顔に迫ります。

美姫さん「こうちゃんおはよー。」

日曜日の早朝、牛小屋にやってきたのはうるま市の神谷美姫さん。家族で闘牛を世話しています。

甥・神谷大輝くん「(Q.美姫ねーねーは牛好き?)とっても好きですよ。毎日一日中ずっと牛のことしか考えていない。」

飲食店に勤務する美姫さん、闘牛と本格的に関わるようになったのは2年前、光神龍という牛との出会いがきっかけでした。

美姫さん「戦ったらかっこいいし、やさしいし、男だったらこんな男と結婚したいくらい好きです。」

闘牛会の異色コンビ

光神龍の得意技は腹取り速攻。相手の隙を狙い横腹を一気に襲う技です。沖縄から徳之島へ渡り、通算8勝3敗の成績をおさめていたところ、美姫さんの父が、沖縄でのさらなる活躍を目指し育てることに決めました。

美姫さん「食べたいんでしょー。すぐこんなして顔みるさー。」

勝負では勇ましい闘牛も、飼い主の前では甘えん坊です。サトウキビの葉は、茎の甘い部分だけを食べて、葉っぱを残そうとします。

美姫さん「こうちゃん葉っぱ食べてって言っているのによー。」

普段は、大好きなギャル系のファッションとメイクを楽しんでいる美姫さん。男性の多い闘牛の世界では、ちょっと異色の存在に思われてしまうこともあるそうです。

美姫さん「本当にいろんな人にいままで、こんなしてネイルして、牛からやーできないって言われたことあるんですけど、でも自分たちの牛舎の人は実際何も言わないので、それは自分がやっていることを見てくれているから、何も言わないのであって、もしこれで牛が止め切れてなかったりとか、だったら、もちろん怒られると思うし。」

闘牛会の異色コンビ

闘牛の世話は、1日40キロ分のエサの草刈りや小屋のそうじに加え、トレーニングも大切も欠かせません。この日、光神龍が向かったのは、うるま市の闘牛場でした。

美姫さん「こうちゃん、ドームについたね。牛を遊ばせます。においとか嗅がせて、牛の調子をみたりとか。」

美姫さんたちのほかにも、牛を連れている人がいます。大会に備え、会場で牛の調子をみたり、散歩をさせて牛の足腰を鍛えるのです。

美姫さん「はじめ夢もったのが、全島一です。部活とかもなんもやったことないんですよ。小学校中学校高校も。何かに向かって頑張るっていうのが、いままでやったことなかったんですけど、はじめて、何かを成し遂げたい、何かをやりたいって思ったのが全島一でした。」

光神龍と全島一を目指している美姫さんですが、なかなか試合にでることができずにいます。対戦相手が見つからないためです。

美姫さん「同じ体重では、相手がいないんですよ。みんな勝負させてくれないです。」

闘牛会の異色コンビ

30年以上にわたって沖縄の闘牛を記録し続け、ユーチューブで数々の名勝負などを配信している屋良闘牛ビデオ。ここに美姫さんが出会う前の光神龍の試合の映像が残っていました。光神龍は、かつて2代目ゆうり鬼若という名前で戦っていました。

屋良闘牛ビデオ・屋良朝弥店長「この牛ですね。この左側の牛です。2代目ゆうり鬼若。簡単に言えば殺し屋ですね。相手牛を倒して腹を突き刺すんで、相手牛は再起不能になったりとか、大けがを負うんで、やっぱり闘牛界では避けられてますね、対戦を。見る側としては魅力的だし、スーパースターって言ったらおかしいんですけど。」

美姫さんと光神龍は、いつでも試合に臨めるようにトレーニングを続けています。そんな娘の姿に、父・光信さんは。

闘牛会の異色コンビ

父・光信さん「彼女の夢でどうなることやらわからんけど、闘牛の先は誰がも読めんね、むずかしい。」

美姫さん「やっぱり、沖縄闘牛全島一です。ひとつはこの牛が好きだから、この牛を自分の手で強くしたい、全島一にしたい、というのと、2つ目は親孝行です。家族も何頭も飼ってきたんですけど、それまで届かなかったりして、だめだったんですよ。なので、この牛は可能性があると、自分は思ったんで、ぜひ、家族の夢なので、全島一は。自分が世話して、牛の背中に乗せてあげたいですね。」

美姫さんと光神龍の全島一へのたたかいは始まったばかり。これからどんな道のりを歩んでいくのでしょうか。