Qプラスリポートです。県内の海岸に流れ着くごみ。なかでもプラスチック製品は世界の環境問題にもなっています。そこで、その漂着ごみ問題を解決しようと、あるプロジェクトが注目されています

今月うるま市でお披露目されたバッグ。グレーの生地に白い糸で縫われ、白のボタンが特徴的です。実はこれ、海に流れ着いたあるものでできているんです。

ジーエルイー合同会社・金城由希乃代表「漂着ごみってホントにたくさんの物が落ちているですけど、その中でも目立つブイを使って作っています。」

「漂着ごみ」を再資源化プロジェクト

このバッグ、原料は海岸に漂着した黒い浮き具、ブイでできているんです!漁などで使われているブイ。何らかの拍子に切れたり、外れたりすることで、海岸までたどり着き、それが漂着ごみになります。

県によりますと県全域の漂着ごみの量は6871立方メートル(2017年度~2018年度)。そのうちおよそ6割がペットボトルや漁業用ブイなどのプラスチック類だということです。

「漂着ごみ」を再資源化プロジェクト

ジーエルイー合同会社・金城由希乃代表「漂着ごみの中でも漁網とかもすごく目立つのですが、ブイって大きくてかさばる。それで結構地域で処分に困っているものなんですよ。こうやって困っているものを再資源化すると、みんなの心により響くかなと思って作りました。」

金城由希乃さん。4つの企業と1つの大学で構成する産業連携の海ごみ削減プロジェクト、「Material Circulator(マテリアルサーキュレーター)」のリーダーです。様々な企業・大学と連携し、漂着ごみの再資源化による製品開発に取り組んでいます。

ジーエルイー合同会社・金城由希乃代表「西表島に行ったときにごみめっちゃ落ちていたんですよ。で何もできなくて、だってどこに捨てていいかわからないし、その時にすごいやる気はあるのに、拾えないっておかしいなと思って。」

金城さんは3年前から那覇市で会社を経営しています。さらに!

ジーエルイー合同会社・金城由希乃代表「いつでもどこでもビーチクリーンが出来るという仕組みをつくって、地方と観光客もローカルもつなげて漂着ゴミの問題やゴミに対する考え方への思いを漂着ゴミを真ん中に人をつなげるという事業をやっていきます。」

マナティプロジェクトと名づけ、500円で黄色いマナティバックを地域で購入し、時間や場所にとらわれずビーチクリーンをする。そんな活動を県内を中心に行っています。

「漂着ごみ」を再資源化プロジェクト

ジーエルイー合同会社・金城由希乃代表「マナティを世界規模のプロジェクトにしたいなって思っていて、やっぱりクリーンアップってすごい日本人ぽいじゃないですか。なので日本人らしいアクティビティとして世界中でできるようにしたいなと思ってるんですけど、自分で自主的に拾って初めて自分事に感じれることが多いと思うので、ちょっとペットボトル減らそうかとか、毎日のことで減らせることとかを考えてもらえたらなと思います。」

様々な企業・大学とともに取り組んできた漂着ごみの再資源化による製品開発。しかし完成までには様々な苦労や問題点がありました。

ジーエルイー合同会社・金城由希乃代表「最近、再資源化とみんな簡単に言うけど、ほんとに漂着ごみって燃やす以外って難しいんだなっていうのを痛感しました。」

東京理科大学基礎工学部・生野孝准教授「回収したものがどんな種類のプラスチックなのか。また毒性物質がふくまれていないかっていうところを分析しました。」

プロジェクトにかかわった東京理科大学の生野准教授も、ブイの着色に使われている顔料によっては再資源できないものがあり、ブイのすべてが再資源化の対象にはならないと難しさを語りました。

9月19日は全世界各所で展開された、地球を一斉にキレイにする日「ワールドクリーンアップデイ」。この日プロジェクトのバッグがお披露目されました。プロジェクトの一員で、バッグをデザインした高橋さんも参加。

マナブデザイン ・高橋マナブさん「このプロジェクト自体は、人の心をいい方向に変容させて行動に移すっていう目的があるので、それをわかりやすく表現するために、このブイから再生した素材をカバンにして、今日の活動で実際につかってもらうっていう目的でつくってます。」

これからも改良を続けていき、ほかの漂着物でも再資源化を目指したいと話すプロジェクトのメンバー。しかし漂着ごみの問題はそれだけでは根本的な解決にならず、商品を作っていく中での世界共通の認識が必要だと指摘します。

「漂着ごみ」を再資源化プロジェクト

ジーエルイー合同会社・金城由希乃代表「ゴミから再資源化をする素材を見つけていきたいなとは思うんですけど、やっぱりゴールは再資源化しやすい材料で、もともとの製品が作られていること。なのでほんとに私たちだけでは変えられないですけど、世界の漁網の基準が一緒になるとか、ちゃんとぱっと見て、素材がわかるようになるとか、社会の変革を望んでいます。」

2050年には魚よりプラスチックごみの量が多い海になると予想されています。沖縄の重要な観光資源だからこそ、これ以上海を汚さないために何ができるのか、漂着ごみについて考えることから始めてみませんか?