7年8カ月ぶりに総理大臣が交代し、きょう99代目の菅総理大臣が誕生しました。新しい菅新内閣は、今後、沖縄とどのように向き合うのでしょうか。菅さんのこれまでの沖縄への発言から、基地と経済、沖縄と新政権とのこれからについて考えます。

7年8カ月ぶりに総理大臣が交代、99代目の内閣総理大臣に選ばれた「菅義偉」氏。官房長官という役職で安倍総理を支えてきた、政権の重要人物です。

菅新総理誕生「菅語録」で見る新政権と沖縄の行方

去年は「令和おじさん」で一世を風靡した菅氏、菅新総理の沖縄での評判はというと。

男性「安倍さんの政権の継続だとは思っている。いい悪いは別として。」

男性「実直な方だという風に印象は持っていますけど、どれぐらい菅さんの中で沖縄のことを考えておられるかというと、それほどでもないんじゃないかなという印象はあります。」

女性「はっきりいって沖縄の知事がかわいそうだと思う。聞く耳がないでしょ。基地をどうにかして、もう少しね、聞く耳をもってもらいたい。」

女性「安倍政権の政策を踏襲するって、本人も最初におっしゃっていたので、あんまり、すごく変わったことをされるというような印象はないんですけど、沖縄に対しても、その印象を覆すような政策をしてくださると嬉しいとは思います。」

街の人からは「歓迎」「期待できない」という賛否両論が飛び交いました。そんな菅総理と沖縄の関わりを振り返ります。

菅新総理誕生「菅語録」で見る新政権と沖縄の行方

官房長官と基地負担軽減担当大臣を兼務していた菅氏、北部訓練場の返還や西普天間住宅地区の返還など目に見える形での負担軽減をアピールしました。

菅官房長官(当時)西普天間住宅地区の返還式典でのあいさつ「沖縄の基地負担の軽減策を目に見える形で1つひとつ実現をしてまいります。」

2年前の県知事選では、複数回沖縄入りして異例の対応を見せました。

菅官房長官(当時)「私、今、車の渋滞ということでモノレールでやってきました。3両にするのか、4両にするのか、検討しています。その視察も兼ねて乗ってきたんです。」

モノレールの車両を増やすことや国道の渋滞解消など、県民生活の向上させるためには県民の声が欠かせないと強く訴えていました。

菅官房長官(当時)「みなさんの声が極めて大事なんです。」

ただ、辺野古の新基地建設では、反対を訴える県民の「声」に耳を傾けようともしませんでした。

菅官房長官(当時)「環境保全に万全を期して、本日も粛々と進めているということであります。」

上から目線で「粛々」という言葉を連発し、「辺野古が唯一の解決策」だという姿勢を強調、県民の反発を招きました。

翁長知事(当時)「粛々というですね、言葉を何回も使われるんですよね。上から目線の粛々という言葉を使えば使うほど県民の心は離れ、そして、怒りは増幅をしていくのではないかなと、このように思っております。」

自身のことを「隠れ沖縄ファン」と称する菅新総理が、総理として今後沖縄に、とりわけ辺野古の問題にどう向き合っていくのか、動向を注視しなければいけません。

新内閣の顔ぶれも新しくなり菅内閣が発足しました。官房長官のポストには加藤勝信厚生労働大臣が就任、基地負担軽減担当大臣も兼務することになりました。

防衛大臣には安倍前総理の弟・岸信夫外務副大臣がその座に就きました。閣僚ポストのなかで初入閣したのは5人。ほとんどが再任や横滑りの人事です。菅内閣の面々について、専門家の目にはどう映ったのでしょうか?

菅新総理誕生「菅語録」で見る新政権と沖縄の行方

琉球大学・江上能義名誉教授(政治学)「安倍政権の継承がはっきり出た内閣名簿だと思いますね。そういう意味では、菅内閣というよりも安倍内閣の延長という感じがしますね。」

政治学を専門とする琉球大学の江上能名誉教授は、菅内閣を安倍内閣の継承の象徴だと分析しました。

琉球大学・江上能義名誉教授(政治学)「安倍政権は7年8カ月続いて、沖縄の民意である「辺野古・反対」というものを無視して、辺野古新規建設を一方的に進めてきた。その中心人物が菅官房長官だったわけですけども、その方が首相になったということは、辺野古新基地建設問題で沖縄にとっては厳しい試練の内閣になった。」

安倍総理の後継者として、辺野古へのスタンスもしっかりと引き継いだ菅新総理。

菅官房長官(当時)「(Q.基地のあり方と沖縄振興を関連付けているんじゃないか?)結果的に(基地と経済は)リンクしているんじゃないでしょうか。」

基地と経済のリンク論に言及した菅氏。

琉球大学・江上能義名誉教授(政治学)「振興予算でできるだけ多くの予算を獲得したいんだったら、と、交渉の部分になりますので、新しい菅政権がどういう采配を見せるかと、また、アメとムチの繰り返しになるのかどうかですね。」

辺野古の問題で対立が激化する県と国、双方の溝がそう簡単に埋まることはなさそうです。