話し合いを重ねても折り合いがつかず法廷闘争にまで発展してしまいました。多くの人が一度は足を止めたり、通り過ぎたりしたことがある「あの場所」で「立ち退き問題」が勃発していました。

出雲会館・中田太聖さん「問題が大きくなった約1年前から、やっと動いてくれてはいるんですけれども、まだ解決に至っていないのが現状。」

問題解決の糸口が、一向に見えてこない状況に頭を抱えるこちらの男性、中田太聖(なかた・たいせい)さん。うるま市にある「海の駅・あやはし館」の管理を市から請け負っている会社の管理責任者です。

糸口見えず 海の駅あやはし館「立ち退き問題」

うるま市の勝連半島と4つの島を結ぶ「海中道路」の中間地点にある「海の駅・あやはし」。船の形をした建物が目を引く、ドライブやツーリングの途中で一息つける「休憩スポット」として知られています。県民だけでなく観光客にも人気があります。

海に囲まれたのどかな雰囲気のこの場所で、不穏な波風が立っていました。

出雲会館・中田太聖さん「令和2年の3月31日をもって、現在営業されている旧入居企業者の利用許可の期限が切れまして、法的な根拠がないまま営業を続けている状態です。」

この場所に店を構える土産物品店が、契約が切れたにもかかわらず立ち退きに応じてくれないというのです。そこには、複雑な事情がありました。

4年前まで海の駅の管理を担っていた「土産物店」。その後、今の会社が管理を請け負うようになったものの、施設の「鍵」を土産物品店が持ち続けています。そのため、土産物店の営業が終わる夕方6時以降、建物に人が出入りできなくなってしまうため、この場所にある飲食店が夜間の営業をできず、赤字が続いているといいます。

食堂の店員「あやはし館にはたくさんの観光客、地元のお客様も足を運んでいるので、そこで夜間の運営の方もやっていけたら、なおより発展していけるんじゃないかと思うので、できればぜひ夜間の運営の方もさせていただきたい。」

管理会社は施設の戸締りができないことから、土産物店が4月以降もこの場所で営業を続けるための契約を更新しませんでした。しかし、そこに待ったをかけたのが、「海の駅・あやはし館」を所有する「うるま市」でした。土産物店の契約を認めるよう求めています。

うるま市・経済部・佐久川篤(さくがわ・あつき)部長「手続きと理由が正当性がないという判断をいたしまして、これでは我々としては承知しかねるので、それがちょっと承認できませんということを、指定管理の方に伝えた。」

現在、土産物店は法的な根拠がないまま営業を続けている状態です。こうした状況について、土産物店は「コメントを差し控える」としています。いろんな事情が複雑に交錯するこの立ち退き問題。司法判断を仰ぐ事態にまで発展しています。

名嘉眞宜徳(なかま・ぎとく)市議「契約が切れているのに、公の施設に民間業者がそのままそこで営業している。それを黙認するという行政の手法といいますか、行政はこれは明らかに間違っている。」

糸口見えず 海の駅あやはし館「立ち退き問題」

海の駅が抱える問題に気づき、早く解決するよう指摘を続けてるうるま市議会の名嘉真宜徳(なかま・ぎとく)議員は、行政の対応の遅さを批判しています。

名嘉眞宜徳市議「(行政の)怠慢そのもの。3月31日までには何らかの形で行政が手を打つべきだったわけです。」

うるま市・経済部・佐久川篤部長「今回、我々としても非常に慎重にかつ丁寧に対応をしている。そういった意味では、時間がかかっているのかなというところを認識しているところです。」

問題は他にも。

出雲会館・中田太聖さん「旧与那城町時代から建築確認の申請だったりとか、許可がない建物が今もあって、現在も営利目的で不法に営業しているので。」

隣接するパーラーやマリンレジャーの業者が建築や運営の許可を得ずに、長年営業しているのです。

うるま市・経済部・佐久川篤部長「今の状態といたしまして、なかなか違法状態ではないけれども、不適切な状態が続いています。それを早めに是正したいということと、いろんな形で生業としてやられている事業者さんもいらっしゃいますから、こういった方々と早めに話し合いをしながら、解決の方向に持っていきたいと考えています。」

問題を改善しようと市と話し合いを続けてきた管理会社。しかし、大どんでん返しが待っていました。

るま市・経済部・佐久川篤部長「我々としては、その指定(管理)の取り消しについても、当然、今、行政手続を進めている最中でございます。」

糸口見えず 海の駅あやはし館「立ち退き問題」

うるま市は管理会社の指定管理を取り消す方針です。

出雲会館・中田太聖さん「指定管理者として運営に至らない部分も、過去多少はあったのは事実ですけれども、改善に向けてうるま市と協議を重ねてきましたし、それに向けて行動もしてきたので、非常に唐突かつ一方的な判断になっていて不快に思います。あやはし館のあり方として何が正しくて、何が悪いのか、うるま市民や県民の方々に説明ができるような指導を私どもにしていただきたい。」

問題が解決しないまま管理会社を変えるだけでは、次の管理会社も同じ苦労をするだけだと指摘していて、納得のいく説明をしてもらえるよう、市に丁寧な対応を求めています。