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その辺野古の軟弱地盤をめぐって非常に重要なことがわかりました。地質の専門家で新潟大学の立石名誉教授が国のデータをもとに分析したところ、大浦湾側に造られようとしている護岸の大半がわずか震度2の地震に耐えきれず崩落する危険性があることが明らかになりました。

新潟大学(地質学)立石雅昭名誉教授「正直ここまで具体的に崩落する危険性が数値として示されてしまった。このまま工事を続けることは、施工中も完成後もこの部分はわずかな振動で崩落するという結果が出たのでこのまま工事を続けるのは無謀だというふうに言わざるを得ないと思った」

震度2で護岸の大半が崩落

工事を継続することを危険視する新潟大学の立石雅昭名誉教授(たていし・まさあき)、辺野古の埋め立て予定海域周辺に地震を引き起こす活断層の存在を指摘し軟弱地盤の上に置かれる護岸が崩れる危険性を訴え続けています。

立石名誉教授らでつくる調査チームの新たな分析で得られた結果をまとめた資料。なかには驚くべき内容が記されていました。

新潟大学(地質学)立石雅昭名誉教授「比較的頻繁に起こってくる地震を受けるとこの部分は崩落する危険性が高いという結果を得たわけです」

調査チームは国が示しているデータをもとにマヨネーズ状とも言われる「軟弱地盤」の上に設置される護岸の安定性を分析しました。その結果、護岸は震度2の地震に耐えきれず崩落する危険があるというのです。しかも、大浦湾側では一部を除きほとんどの護岸が崩れる可能性が高いといいます。

新潟大学(地質学)立石雅昭名誉教授「沖縄県の場合、これまで大きな地震動に見舞われてこなかったというのがあって、そこを(国は)非常に安易に考えていた」

およそ20日前の6月14日午前1時前に本島全域を揺らした地震がありました。この時、那覇と辺野古でともに「震度2」でした。県内で地震による被害はありませんでしたが、辺野古の工事現場では「護岸が崩れ落ちる」危険性があるというのです。

震度2で護岸の大半が崩落

新潟大学(地質学)立石雅昭名誉教授「護岸が崩落すれば、取り返しのつかないような事態が起こり得る。これはもう、基地としての機能を果たせないと言わざるを得ない。震度2~3の地震が頻繁に起きている所になぜ造るのか」

さらに衝撃的なのは、軟弱地盤が水深90mまで続く地点の耐震性のもろさです。地盤を補強して埋め立てまで終わった後の護岸の耐震性を調べたところ、「震度1」の地震でも護岸が壊れてしまう危険性があるというのです。

新潟大学(地質学)立石雅昭名誉教授「地震動が来た時にどういう安全性が確保されるのかという検証をまったく行ってこなかったということだと思う。そういう意味では、自ら安全性を立証する責任は防衛局・防衛省にあると思う」

こうした指摘について、国は…

菅官房長官の会見 Q:埋め立て護岸について震度1で崩壊するとの解析結果受け止めを。菅官房長官「普天間飛行場の代替施設については、有識者で構成される技術検討会においても技術基準にもとづいており問題ないというご意見をいただいている」

辺野古で観測された過去10年の地震を見ると震度3は3年に1回で、震度2は1年に1回、震度1に至っては2カ月に1回の頻度となっています。

新潟大学(地質学)立石雅昭名誉教授「自分たちが安全性を立証できない以上、それを沖縄県や県民にこれでどうだというふうに言うこと自体間違っていると思う。(新基地建設は)すぐにやめるべき」

調査チームは国に同じ分析を行ったうえで結果を公表するよう求めています。震度1でも壊れてしまうかもしれない護岸…、専門家の分析によって辺野古が唯一だとする国の根拠が揺らいでいます。