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国内外で感染が拡大する新型コロナウイルス。その影響で、県内の酪農家が悲鳴をあげています。現場の声を聞きました。

学校給食に、欠かすの事のできない牛乳。しかし…。

仲本記者「子供たちが飲んでいるこちらの牛乳。実は、県内で生産した牛乳の半分は、学校給食に出荷されているんです。」

安倍総理の休校要請にともない、学校が臨時休校となったことで今、県内の酪農家が大きなダメージを受けていました。

糸満市にある「横井牧場」。

横木牧場・横井直彦さん「突然休校になってしまって、学校給食がどうなってしまうのかなっていう不安と、当然牛乳が余ってしまう、その牛乳の行き先がどうなってしまうのかなと。手取りが減った分、自分の生活をきりつめないといけないのかなというそういう不安もある。」

朝、4時半からの作業は牛のえさやりや牛舎の掃除。たとえ学校給食が中止になっても、牛の健康のために搾乳はいつもと同じく続けなければいけないといいます。

県内では平日1日あたりおよそ60トンの牛乳が生産されていて、そのうち30トンを学校給食に出荷していますが、多くの小中学校などが休校したことで、学校への配給が止まり、深刻な影響を受けています。

横木牧場・横井直彦さん「酪農組合や乳業メーカーが日々努力をして、なんとかすてる牛乳がないように調整しているんですけども、それでも通常の取引される価格とは低くなる調整せざるを得ないので、どうしても(収入では)手取りという部分では減ってしまう。」

落ち込んだ牛乳の消費に力をかそうと、県内では今、さまざまな動きが始まっています。

3月だけでも休校の影響で、最大500トンの牛乳があまる可能性がある。そんな事態を受け、きょう、県酪農農業協同組合などは、知事に実情を訴えました。

県酪農農業協同組合・新里重夫代表理事組合長「組合員が本当に大事に養った牛から出た牛乳を廃棄とか、生産コスト割れの価格にしたくないというのが、今の一番の切実な思い。」

切実な酪農家の声を受け、県内のコンビニエンスストアが行動を初めています。

船越記者「牛乳の消費支援を目的に、ホットミルクが半額で購入できます。」

ローソンでは牛乳の消費に力をかそうと、マチカフェの「ホットミルク」が期間限定で半額の65円で販売を始めました。

また、乳業メーカーでは、給食用の牛乳の一部を加工乳として出荷したりするなど、県内の酪農家を支援する取り組みも行われています。

しかし、本来の価格よりも安い価格での提供となるため、収入が落ち込むことが予想されている上、新型コロナの影響がいつまで続くか、先行きも今は不透明です。

横木牧場・横井直彦さん「何とか下を向かずに生産をしていこうと思っている。学校給食が休みになったぶん、スーパーに買いも物に行ったときには、できれは県産の牛乳を手にとってもらうと、我々いちばんの励みになる。」

ただ一方で、いくつかの市町村で学校再開の動きが始まったことに、明るい兆しも見つけ出していました。

横木牧場・横井直彦さん「正直、少しほっとした部分もある。加工牛ではなく牛乳を供給したいという思いがあって、生産を続けているので早く収束して、通常通り学校給食が始まることを願っています。」