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ハンセン病家族に総理が謝罪

約90年続いた国の誤った隔離政策。ハンセン病の元患者の家族らに24日、安倍総理が直接謝罪しました。その中には、総理の言葉を聞くため、沖縄から駆け付けた男性もいました。

安倍総理は「長い間、苦痛と苦難を強いることとなってしまいました。内閣総理大臣として、政府を代表して、心から深く、おわびを申し上げます」と謝罪しました。

安倍総理は、「ハンセン病家族訴訟」で、先月裁判所が国敗訴の判決を出したことを受け、原告団と面会し政府の責任を認め、謝罪しました。安倍総理は、「皆様が経験された、筆舌に尽くしがたいご労苦を、これ以上長引かせるわけにはいかない。きちんと責任を果たさなければならないと考えました」と話しています。

安倍総理は、訴訟に参加しなかった人たちも含め、新たに補償するための立法措置を講じることを約束しました。

原告団長の林力さんは「誤った認識を正す啓発と、教育に、当事者である私の声をいかしながら、国の総力を挙げて取り組んでいただきますよう、改めて更なるご尽力を申し上げます」と話しました。

原告561人のうち、全体の約4割にあたる250人が沖縄出身者です。面会には、沖縄市在住の宮城賢蔵さんの姿もありました。宮城さんが生後3カ月の時に、母親はハンセン病だと発覚し、療養所に収容されました。

宮城さんは総理との面談を前に、「いくら総理であっても、自分みたいな苦労は経験できない。口で簡単に言うけど、実際に苦労してきた人間は、言葉では表せない。孫にも親にも言わなかった、この苦しみは。自分一人で抱えて生きてきた」と話しました。

面会前は、複雑な思いをにじませていた宮城さんでしたが、総理と面会を終えると「良かった、きょうは。とっても良かったよ」と感想を話していました。面会後の会見では、心のつかえがとれたようでした。

宮城さんは「沖縄は、米軍の統治下にあった。沖縄は別の扱いをされたら、一番これが不愉快。全国の皆さんと一律に補償してほしい。これが私の切なる思い。総理と会って、目を見たら、総理の目は、とっても輝いた目でした、私の印象では」と話しました。

原告団長の林力さんは「思いよ届け、ようやく総理に思いが届いたかなと思う。今度は社会に、国民の中に私たちは思いを届けなければならない、そういう役割を使命を持っている」と話していました。