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最初の慰霊塔を建立 山梨出身男性の遺品を寄贈

沖縄で最初に都道府県の慰霊塔が建立されたのは65年前のことでした。全国に先駆けて建立したのは、山梨県出身の男性。

21日、この男性の遺品が八重瀬町に寄贈されました。戦後間もない1953年に建設会社の現場監督としてアメリカ軍の基地建設のために沖縄に赴任した山梨県出身の山中幸作さん。

多くの県民が亡くなった旧具志頭村に全国に先駆けて私費で慰霊塔を建立しました。2017年、新聞投稿をきっかけに交流が始まり、きょう山中さんの孫らが祖父の思いが込められた慰霊塔の前で黙とうをささげながら手を合わせました。

また、山中さんが遺した戦後を物語る貴重な写真や当時の村長とやり取りした手紙などの資料が、65年の時を経て親族から八重瀬町に寄贈されました。

山中幸作さんの孫、山中幸子さんは、「建立から時を経て、胸がいっぱいです。祖父は多くの方が戦争の犠牲になって大変戦争の爪痕・惨状を見て、心を痛めたそうです。二度とこんな不幸なことがあってはならないと平和の願いも込めて慰霊塔を建立したそうです」と話していました。

新垣安弘八重瀬町長は、「まだ地元でも遺骨収集が本格的になっていないときに、そういうことをご本人がされていたということは、沖縄の皆さんにも大きな影響を与えたと思いますし、すごく大事な資料と思うので、しっかり保管していきたい」と応えました。

八重瀬町教育委員会では、21日から6月3日まで寄贈された写真や資料を役場の1階ロビーで展示することにしています。