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皆さんは先天性の難病、「プラダー・ウィリー症候群」という病気をご存じでしょうか。今、その病気と向き合いながら独特な絵を描いて多くのファンを集める中学生がいます。14歳のアーティストが、絵を通してみんなに届けたいものとは。先月、宜野湾市で開催された個展に多くの人が集まりました。

お客さん「心を惹きつけるしみんなを幸せにしてくれる絵だと思います」

誰かの為に今僕が出来る事 中学生アーティストfuto

笑顔の中心にいる、池原楓人君。14歳の彼が描き出すのは、味のあるタッチで愛くるしい表情を見せる動物や人。モノトーンの中にも、温かみやユーモアを感じさせます。この得意な絵を披露する初めての個展、タイトルは「誰かの為に今僕が出来る事」。実は楓人くん、生まれたときからある病気と付き合ってきました。

誰かの為に今僕が出来る事 中学生アーティストfuto

中学生のアーティスト、楓人君が向き合ってきたのは1万5000人に一人の割合で誕生すると言われる、プラダー・ウィリー症候群。筋力が低く、満腹中枢の障害とみられる過食から合併症を引き起こすこともあり、個人差はあるものの発達障害や精神障害などを伴います。

しかし、特定の分野でずば抜けた才能を発揮するのも特徴の一つ。7月からはインターネット交流サイトで作品を発信し、多くの人を惹きつけています。

小学校の同級生「(小学校の頃は)とてもフレンドリーでみんなに話しかけて愛されキャラでした。これからも色んなところで活躍して頑張ってください」

初めての個展から2週間、楓人くんは早速次の個展に向けて描き始めていました。写真を見ながら模写しているようです。下書きの後はマーカーですいすいなぞっていくんだね。

誰かの為に今僕が出来る事 中学生アーティストfuto

楓人くん「終わった。色を全部塗ったら完成です」

楓人くん「小さい時に絵がとても好きで怪物君とかヤギとかと遊んだり描いたりした。ミシンと洋服とジーパンを描く」

どうやら、次の個展の場所に合わせた作品を描くようです。2回目の個展は、ハンバーガーやビンテージの服が人気で店内でリメイクも手掛けるカフェ「ブリコルール」。楓人くん、個性豊かな商品に目を付けたんだね。

楓人くん「イベントの話」

店を運営する島袋さんらとミーティングです。

誰かの為に今僕が出来る事 中学生アーティストfuto

島袋さん「一番は楓人の作品を観てもらう事とプラダー・ウィリーについても知っていただいて」

2回目の個展では、ライブペインティングや、絵をデザインした新しいグッズも販売すると言います。実は、そうして次々と挑戦をするのには、理由がありました。

楓人君「寄付する子ども達の食堂(Q.子供食堂?)はい。(Q.どうして子ども食堂?)お母さんもいないしお父さんもいないからご飯もおかしも食べられないから寄付する」

誰かの為に今僕が出来る事 中学生アーティストfuto

食欲をコントロールしなければいけない自身の病気。一方で、日々満足に食べられない子どもたちがいることに心を痛めた楓人君。グッズの売り上げを社会福祉協議会や地域のこども食堂に寄付しようと決めました。

「誰かの為に今僕ができること」楓人君の想いは人へ、また人へと広がっていきます。

楓人君「みんなが喜ぶのは自分の絵を見て プレゼントをあげた時はみんなハッピーになる。絵を見てうれしくて涙が出る(Q涙が出た人もいる?)はい、感動するわけさ(Q病気で大変だなと思うことはある?)うーん。ない(Q食べるのを我慢するのが嫌だとは?)特にない」

病気はしっかりと受け止め、付き合っている楓人君。そんな楓人君の将来の夢は?

誰かの為に今僕が出来る事 中学生アーティストfuto

楓人君「(将来の夢は)沖縄市のこどもの国の飼育係になりたい。動物をお世話するために」

大好きな動物たちと触れ合う仕事を夢見て、周りの人を笑顔にするためにこれからも描き続けます。