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沖縄高専や琉球大学などの共同研究グループが、海の生態系への影響が懸念される海の酸性化に対し、比較的強いサンゴが自然界に存在していることを確認しました。

この研究は、沖縄高専と琉球大学、青森県の弘前大学などの共同チームによるもので、6月、学術誌に掲載されました。

研究では、沖縄本島周辺の「エダコモンサンゴ」と「ユビエダハマサンゴ」という枝状サンゴの2種類を使い、地球温暖化と共に海の生き物への悪影響が懸念される海の酸性化に、サンゴがどれだけ耐えられるかを調べました。

特別な装置を使い二酸化炭素を濃度を変えて水槽に送りこみ、サンゴの成長を示す石灰化する速さや、健康度を表す光合成する度合いを段階的に調べました。その結果、「エダコモンサンゴ」の方が海の酸性化の影響を受けにくいことや、さらには同じ種類でも一つ一つにばらつきがあることも分かりました。

琉球大学熱帯生物圏研究センター長の酒井一彦教授は、「酸性化に対して、同じサンゴの中でも強いもの、弱いものがいるのがわかったので、サンゴを植え付けて増やす時に、そういう強いものを選んで植えると。そうすれば、よりよく成長が期待できるという効果があると思う」と話しました。

研究グループでは、今後、遺伝子解析などで酸性化に耐えるメカニズムの解明や、温暖化による影響も含めた研究を進めたいとしています。