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戦後70年の慰霊の日まであと1週間です。

きょうは、「戦後70年」と「辺野古移設」について、朝日新聞、沖縄タイムスと共同で実施した意識調査の結果をお伝えします。調査は13日から14日にかけ、県内の有権者を対象にランダムに電話をかける方法で実施し、有効回答は846人でした。

戦後70年の節目に、県民は何を感じているのでしょうか。

80代女性「私も小学校6年生でしたからね。嫌ですよ話するだけで涙。ごめんなさいね。」

設問:「あなたは、沖縄戦の記憶が今の世代に引き継がれていると思いますか?」

戦後70年 県民は何を感じているか

「風化している」と答えた人が68%。「引き継がれている」が20%でした。

90歳男性「(お孫さんに戦争の話ってしたことありますか?)いやいつもやっているよ。ただニヤニヤ笑っててあんまりわからんね。」

設問:「沖縄戦について経験したこと、見たり聞いたりしたことを、次の世代に語り継ぎたい思うか?」

戦後70年 県民は何を感じているか

「すすんで話したい」また「たずねられたら話す」と答えた人が86%に上っています。沖縄戦体験者の高齢化が進む中、9割近くの人が記憶の継承が今後の課題だと感じていることがわかります。

20代女性「でももっと必要かなと思います。やっぱり私たちは経験してないので、語り継いで知ってるつもりになってるだけで、まだなんていうか実感伴ってないから。」

設問:「沖縄戦について自ら体験がありますか?あるいは当時を体験した人から直接話を聞いたことがありますか?」

戦後70年 県民は何を感じているか

「自ら体験がある」という人は9%。「話を聞いたことがある」が75%。「どちらもない」が15%でした。

戦後70年 県民は何を感じているか

このうち「話を聞いたことがある」と答えた人に、どのような場で話を聞いたか伺ったところ、「家族や親戚などから」が63%。「学校教育で」が21%。「歴史施設で」が12%でした。

戦争を知る経験の3割以上が、歴史教育の場になっていることがわかります。

設問:「日本に復帰してよかったと思いますか?」

戦後70年 県民は何を感じているか

沖縄が本土に復帰して「よかった」という人が77%いる一方で、沖縄と本土には「さまざまな格差がある」という見方について、「その通りだ」と答える人が同率の77%となっています。

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また、「格差がある」と答えた人に、一番問題だと思うのはどれかをたずねたところ、20代、30代では「所得」がもっとも多く、40代以上では「基地問題」がもっとも多いという結果が出ました。

続いて辺野古問題について。

30代男性「やっぱり自然が壊されていくというのがどうしても心に響くっていうかありますね。」

設問:「翁長知事は、埋め立て承認を取り消すべきだと思いますか?」

戦後70年 県民は何を感じているか

結果は、「取り消すべきだ」と答えた人が58%。「取り消すべきではない」とした人は23%でした。さらに、翁長知事が辺野古反対の意思を直接アメリカ政府に訴えようと訪米した件について、「評価する」とした人は73%に上っています。

戦後70年 県民は何を感じているか

調査からは、沖縄戦の記憶が風化しつつあると危機感が高まっていること、一方で、沖縄戦そしてアメリカ占領下の時代を経験していない40代より下の世代では、所得や就職など経済に関わる問題意識が高くなっているということがわかります。

しかし、普天間基地の辺野古移設についてはすべての世代で「反対」が6割以上と過半数を超えています。戦後70年、戦争の記憶が薄れ、日々の生活に直結する経済への関心が比重を増す中でも、これ以上の新たな基地は要らないとする県民の声は変わりません。