今週火曜日(21日)、イオンモール沖縄ライカムのグランド・オープンを前に、地権者でつくる組合が参加して、「街びらき」が行われました。

2010年に返還された旧アワセゴルフ場。総面積48ヘクタールの土地に権利を持つ地権者は、360人(2010年現在)でした。

これまで、返還された米軍基地が、跡地利用開発を終えて土地を使用できるまでには、平均するとおよそ20年の歳月がかかっています。

莫大な資金と長い年月を費やす跡地での再開発ですが、事業の主体は行政ではなく、地権者で作る組合となっていることが少なくありません。

旧アワセゴルフ場の跡地利用でも、北中城村は、地域全体の総合計画を作りましたが、事業そのものは、地権者の組合が行いました。地権者にとって、再開発のための費用は大きな負担です。

北中城アワセ土地区画整理組合 吉村 正夫理事長「返還された跡地をですね、早期に開発して、地権者の利益が確保  されるということが何しろ必要なんだと考えました。」「しかし、月並みなショッピングモールではですね、なかなか集客  ができないと。」「それなりの規模のものを作って、それなりの収益をあげていただ  かないとですね、地権者に対して、利益が還元されないという風  に考えていました。」

アワセ土地区画整理組合が、開発のパートナーとして選んだのは、これまでの沖縄にはなかった大規模な商業施設を作る案を出したイオンモールでした。

北中城アワセ土地区画整理組合 吉村 正夫理事長「中部地域というのは、観光客が素通りする地域なんですよ。」「街そのものを観光地化したい、という風に考えています。」「最終的には、”こういう街に住みたい”と、沖縄の人々に思って  もらえる街を作りたい。ある程度、高品質な街で、便利な街。憧  れになるような街を作りたい。そのモデルを提供したいというの  が、今、我々の考えているところです。」

1980年代以降、本島中南部にある大規模に返還された基地の跡地では、大型のショッピングモールを誘致して、商業地をつくる例が続いています。

那覇市のおもろまちや小禄金城(かなぐすく)地区、北谷町の美浜などは、その代表的な例です。

中南部では、跡地利用以外にも、豊見城市豊崎、与那原町や西原町のマリンタウン構想などの再開発が行われていて、すでに商業地は「飽和状態」であるという指摘もあります。

これは、県がまとめた土地利用のマスタープランです。「埋立事業等の新たな開発との土地需要バランスを見据えて、段階的・計画的な都市整備を進める必要」と記しています。

那覇新都心地主会会長の内間安晃さんは、増え続ける商業地開発に危機感を抱いている一人です。

那覇新都心地主会 内間安晃会長「私は、商業地域だけがいいという時代は、もう終わっていると思いますよ。」「まだまだ恐ろしいですよ。開発いっぱいありますからですね、そこで、あんまり商業間だけで競争させるのもどうかと思いますね。」「商業地を大きくするんじゃなくて、安全安心の住宅地を、学校を含むそういうところを重点的に重きをおいたほうがいいんじゃないかなと、私はそう思いますね。」「県の方は、ある程度、市町村の問題でもありますけどね、浦添の場合は、浦添のキンザーの問題、普天間の場合は宜野湾の問題、そういうところ切り分けた発想じゃなくて、大きいゾーニングの時に、役割を果たして欲しい」

基地の跡地利用と埋め立て地等で行われる再開発とのバランスについて、県の都市計画課にインタビューを申し入れましたが、具体的な回答はありませんでした。

嘉手納より南で、大規模な米軍基地の返還計画がされている中、これからの沖縄の都市形成をどうしていくのか?跡地利用を支える行政の新たな仕組みづくりが求められます。

北中城の緩やかな丘にそびえ立つイオンモール沖縄ライカムは、跡地利用に苦心した地権者の「苦悩の象徴」のようにも見えます。