きのう与那国町では、陸上自衛隊の配備について賛否を問う住民投票が行われました。投票の結果は、こちらです。配備「賛成」が、187票差で、「反対」を上回る結果となりました。当初、町おこしとして与那国町が提案した自衛隊配備。いま、国が南西諸島の防衛強化を進める中で、重要な投票結果となりました。

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自衛隊に賛成する会・金城信浩会長「我々としては最高の結果」

昨夜、与那国町の住民1276人を対象に行われた自衛隊配備を問う住民投票は、賛成が反対を上回りました。

この結果に、配備反対を訴えてきた人たちは・・・

住民投票を成功させるための実行委員会・上地国生委員長「我々としては非常にいい感触を受けていただけに、なぜこういう結果になったか、意外です」

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自衛隊誘致に向けて、与那国町が動いたのは6年前。減り続ける人口、苦しい財政への対策として、外間町長は、国に自衛隊の配備を要請。一方、南西諸島の防衛強化を進める国にとって、最西端の島、与那国は「防衛の要」。外国船の監視のためのレーダー基地の配備を決定しました。

人口減少という眼の前の課題と、大きな国策の狭間で、住民たちは、苦しい選択をしてきました。

賛成のおばあちゃん「4,5年前、この辺が全部浸水してね、大変だった。めいめいのことしかできない高齢者たちだから、助ける自衛隊がいないといかん」

反対のおじさん「人口減を自衛隊減に頼るのはまずおかしい。まず自分たちで努力すべきだと」

一方で、島で生きていくことを決めた若者たちも、複雑な思いを抱えています。

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反対の若者「反対の立場ですね。今、与那国にあるものをもっと活かして、与那国のいいところを残して活性化できると思うので」

賛成の若者「若い人が帰って来れるような島づくりをやっぱりみんな町民でやらないといけないんですが、そこにはやっぱり自衛隊が必要ということですね」

投票日を目前に、賛成・反対それぞれの立場の国会議員らも駆け付けるなど、島は異様な雰囲気に。そして、投票当日。投票者の半数が選んだのは、配備「賛成」という選択でした。

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外間町長「445人の反対がいるので、この方たちにどう理解を示していくかが私の課題です」

大矢記者「住民たちが悩みに悩んだ末に一票を投じた投票から一夜が明けました。自衛隊駐屯地の建設現場では、今朝も作業が進められています」

おばあちゃん「反対と言ってももうどうしようもならない。もうあっち工事やっているのに」

若い男性「自衛隊が来たことで、何がよくなって、何が悪くなるとか、全く分からないです」

真喜屋アナウンサー「今後、与那国はどうなるのでしょうか。」

大矢記者「今回の投票に法的な拘束力はありませんが、開票後、外間町長は配備問題について「決着がついた」と語りました。町おこしとして始まった自衛隊配備ですが、気になるのは、国が、南西諸島の防衛強化を進めていること。今後、政府によって与那国がどんな位置づけをされ、どんな計画の中に組み込まれていくか、これは、町おこしとは全く別の流れとなります。」

中川アナウンサー「法的な拘束力はないとはいえ、今回の結果は、地域の人たちの「意思」ということになりますよね?」

大矢記者「今回の結果は、今後、町や政府が、「民意」として様々な場面で引き合いに出すわけですから、そういう点で、重要な意味をもっていると思います。私が取材した、賛成の立場の住民の中には、「もし今反対をして、工事が止まれば国から訴えられ、賠償金を払わされるのでは」と心配する人もいました。苦しい島の現状を前に、大きな問題を突き付けられ続けてきた与那国。人々の苦しい胸の内について、あすのリポートでお伝えしていきます。」