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走れ!サツタン

事件・事故・災害などを取材する警察担当、通称「サツタン」記者がある事柄を独自の視点で掘り下げます。今回は、石橋記者です。

この時期、困った問題となっている「路上寝」を取材しました。横になって寝てしまっていますね。トラックの後ろで寝ていて、非常に危険な状態です。

酒を飲んで泥酔した人が車道や歩道で眠ってしまう「路上寝」。

街の人「自分のさじ加減だと思うんですけど気を付けないといけないと思いますね。」

タクシー運転手「走行している時に、「路肩から足が出ているとか、もしくは反対に胴体が(路上に)出て寝ている、とっても危険な状態をよく見かけます。」

夏場は飲酒する機会が多くなり、また、気温が高いこともあって「路上寝」も増えるといいます。

路上で寝たことありますか?

飲んでいる人「はい、あります。」「地面っていうのは冷たいんで、寝てると、寝やすいんですよね。ヒンヤリっていうか、すぐに眠りに入るっていうか。」

深夜だけでなく、早朝にもみられる「路上寝」、飲酒の機会の増える週末に特に多くなるといいます。常態化している現状が垣間見えました。

確かに、路上で寝ている人っていますよね。無防備で危ないなと感じるんですよ。

「路上寝」ですが、県警のまとめでは、去年1年間で6100件以上の110番通報がありました。最も多い那覇警察署では、ひと月平均230件、時には1日で20件ほどの110番通報があるそうです。路上寝は、事件や事故の2次的な被害に遭う危険性が指摘されています。

那覇署・川満課長「路上で寝ることでですね、ズボンのポケットや持っているバッグからですね、財布等の金品が盗まれるといった仮睡者狙いの被害、(それと、強盗とかその他の被害に遭う可能性もあります。)また、特に夜間の路上寝込みについては車両のドライバーがその姿を見つけ辛いという状況がありますので、大きな交通事故に繋がる恐れもあります。」

1か月前には、北中城村で「ひき逃げ死亡事件」も起きました。はねられた男性は路上に寝ていたということですから「路上寝」は、黙って見過ごすわけにはいかないんですよね。

この危険な「路上寝」を減らすことはできないのでしょうか?路上寝をなんとか減らそうと独自に取り締まりを始めた警察署を取材しました。

「路上寝」は、離島に多く発生しています。例年、石垣島と並び多くの「路上寝」が報告されている「宮古島」へ向かいました。午前3時すぎ、居酒屋が立ち並ぶ通りのはずれで閉店した店の前に座り込むようにして寝ている男性。声をかけたものの、目覚める様子がないため、110番通報。

現場に到着した警察官が、男性を起こし、家に帰るようにと注意。ふらつく足取りで歩いていく男性。きちんと帰宅するのかと思いきや…向かった先は、繁華街のなかにある駐車場。

さきほど、警察に帰宅を促された男性ですが、およそ20分後ですね。駐車場の中で眠ってしまっています。まさかの、路上で2度寝。駐車場を出る車が男性をひくかもしれないと再び警察へ通報、今度はタクシーで帰っていきました。

「路上寝」は、道路交通法の76条で禁止された「道路における禁止行為」に該当。違反者は5万円以下の罰金が科せられます。

警察官が路上寝をしていた男性に渡したのは「警告書」。宮古島警察署では、去年7月からこのような取り締まりを行なっています。

平安座副署長「警告書を路上寝している人にお渡しして、翌朝、これを見ていただいて、反省してもらおうということで、路上寝の警告書を作成しております。」

「路上寝」が違反行為であることを知らない人が多いため周知徹底をはかり、2度目は許さないということを示す「警告書」まさに、「路上寝」へのイエローカードというわけです。

平安座副署長「常習者に対しては、それなりの法的処置を取らざるを得ないだろうと考えている。」

様々な危険と隣り合わせの「路上寝」。こうした危険を回避するためにも、お酒との付き合い方を考える必要があります。

飲酒運転根絶のためによく言われる「飲んだら、乗るな!」ではありませんが、「飲んだら、寝るな」と訴えていくことも重要なことだと、取材を通して感じました。

以上、石橋記者でした。