※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
News Photo

67年前の沖縄戦では数多くの歴史的な文化財が焼失しましたが、庶民の暮らしを彩った生活の道具もまた、多くが失われました。

その戦禍を免れ、本部町で嫁入り道具として使われてきた、およそ100年前に作られたという衣装箱が9日、県立博物館・美術館に寄贈されました。

寄贈された衣装箱は、1995年に103歳で亡くなった本部町の高山カマドさんが20歳に結婚した際、嫁入り道具としてカマドさんの祖母から贈られたものです。

寄贈した孫の仲村正樹さんによりますと、カマドさんは沖縄戦当時も、この衣装箱を防空壕に避難させるなどして保管し、亡くなるまで大切に使用していたということです。

衣装箱は大変古いもので、黒い漆の下にはもともとの朱漆も確認できることから、県立博物館・美術館では何度か塗り直して使われてきて、最低でも100年以上前に作られたものだと見ています。

寄贈をうけた県立博物館・美術館の園原謙主幹は「金具とかも考えて、もっと古い18世紀から19世紀ぐらいの資料の可能性もあります」と話していました。また、寄贈したカマドさんの孫である仲村正樹さんは「ここに出す前に(カマドさんの)仏壇に線香を立てて、嫁に出すつもりで衣装箱を寄贈したつもりです」と話していました。

今回、県に嫁入りしたカマドさんの衣装箱。博物館美術館では今後、作られた年代や家紋について調査し、2013年5月に開かれる新収蔵品展で一般公開するということです。