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勝連沖埋め立て案は、うるま市浜比嘉島の沖合いおよそ1300メートルの場所に人工島を造るというもの。

3600メートルの滑走路を2本持ち、その規模は普天間基地のおよそ2倍、宮城島と平安座島を合わせた大きさに匹敵します。また、軍港と自衛隊基地も造り、那覇軍港や航空自衛隊と海上自衛隊の那覇基地も移すという案です。移設案とされた海に行ってみました。

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謝花「私はいま勝連沖埋め立て案の北の端にいます。ここからおよそ4キロ向こうに浮原島が見えますが、その島をつぶしてその先まで埋め立て、巨大な基地を造ろうというのが勝連沖埋め立て案です。高さは海面から10メートルから16メートルの防波堤を、およそ4キロにわたって造り、その内側に基地を造るというものです」

勝連沖案の現場が目の前の浜比嘉島の人たちに聞きました。

浜比嘉島住民・女性「いやいや、反対してる。みんな反対もう。落ちたらどうする?落ちたらもう大変だよ」

浜比嘉島住民・男性「基地も戦争の準備だからさ、私は賛成できない」

浜比嘉島住民・男性「(ヘリコプターの飛ぶのを見て)基地を造るために偵察して歩いてるんですか?こういった島にいまから基地を造るということは一番危険なんです。子どもたちが」

浜比嘉島住民・男性「もう、反対ですよ。爆音もあるし。この与勝半島は海で生活してるもんだから」

浜比嘉島住民・女性「絶対反対。もし孫に…。(米軍機が)こっちから通るというのはもう。いま静かだのに。もう県外にもっていってほしいと思います」

勝連沖案は97年ごろにも出ていた案ですよね…。

謝花「そもそもこの案を作ったのは、建設会社の会長で地元に影響力のあった太田範雄さんです。太田さんが10数年前から計画していたというもので、インタビューを申し込んだところ『政府方針がはっきりしてからにしてほしい』と断られたのですが話は聞くことができました。太田さんによりますと去年の10月、民主党の小沢幹事長に会って提案しました。これに対して小沢幹事長は『こんないい案があったのか』と評価していたということです。そして今年2月には北沢防衛大臣に会って説明しています」

太田会長は小沢幹事長にどんな説明をしたんでしょうか。

謝花「まずこの案が最も現実的でいい案だと。そこは浅瀬なので、普天間基地を移設するだけの施設なら2年でできる。そして6年から7年では全体が完成し、那覇軍港や自衛隊那覇基地も移せると」

太田会長は勝連沖のサンゴは死滅しているという考えのようですが。

謝花「その考えは私に対しても話していました。太田さんは『4〜5年前にアメリカ人のダイバーに潜ってもらってそう報告を受けた』ということですがVTRでわかるように、それは違いますよ。また、勝連をはじめうるま市の漁協の人たちは非常にモズクに頼っていると話したところ『国が補償したらいいのではないか』という考えでした。ですからうるま市民をはじめ、県民の強い反対の意思がどれだけ政府に伝わっているかは疑問です」

謝花「この案を政府が有力視していることは、うるま市の市議会議員が何度も平野官房長官に呼ばれて説明を受けたということからもわかります。このうちただひとり、3回とも行ったとされている川上議員に直接話を聞きました。

川上秀友議員「そのまましておけば、普天間の固定化になるんではないかという心配がある。あの図面だったらいわゆる滑走路も影響ないだろうと、この辺に。影響ないと思うよ、また。早い時期に政府が決めれば、我々は容認するだけですと。早くこっちに来てくださいということは一度も言ったことないよ、私は。(Q.今の民主党政権、連立政権が約束どおり県外移設ということを決めたら、それはもうそれで)そう、それでいいよ。ですから私はあくまでも、なるべくだったら県外がいい」

川上秀友議員「(Q.官房長官に説明は聞きに行ったということは)それは、そんなこと言ったら大変ですよ、私は」

地元の議員の中には受け入れを視野に入れている人もいるということですね。

謝花「はい、うるま市議会議員は34人。このうち11人が容認、あるいは揺れているという状況です。ただ、うるま市長は反対を明言し、先月25日は市民決起大会も開かれ、強く反対の意思を示しました。これだけ大規模な公共工事ということを考えても、前世紀の発想で非現実的ではないかという感じがします」

あす6日はその経緯を含め、普天間問題について当時の県政で政府との交渉にもあたった稲嶺前知事のブレーンに聞きます。