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アマチュア映画監督歴五年で、このたびはれてプロと一緒に短編映画を撮ることになった人を今日は紹介するんですが、なんと、13歳の中学生なんです。小学校3年から映画を作ってきた仲村颯悟(りゅうご)くん。その堂々たる監督ぶりをご覧ください。

(映画「ヤギの散歩」の子役オーディション)仲村監督の声「前にドラマとか映画とかは出たことある?」少年   「映画はカムイ外伝に出ました」子役を選んでいるこの少年、まだ13才ですがれっきとした映画監督。今回、沖縄をテーマにした短編映画のコンペで見事えらばれ、初めてプロと一緒に映画を作ることになったのです。配役もロケハンも、もちろん自分でこなします。舞台は今帰仁村の、この民家に決めました。

仲村くん「高くしたら映りますかね?こっちからヤギが逃げた後におばあたちが騒いでいるっていうのをワンカットで撮りたいんです」

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今回の映画「やぎの散歩」は、結婚式で山羊汁にされそうになったヤギが逃げて行き、最後は少年に説得されるという仲村くんのシナリオで、ヤギの目線で沖縄の風景を楽しめるユニークな作品。

仲村くん「スタート!」「だから回って走ってきてああって、できますかね。腰が痛いってできます、今ちっとやってみて、あああずっとそのまま」

台本でイメージしていたシーンをさらに面白くしようと、演出にこだわる仲村くん。いつもは友達と一緒に映画を作っていますが、今回は大人と一緒で勝手が違います。それでも、監督自らスタッフの隠れる場所を探すなど、遊びの延長のようでもあります。

仲村君「はいカット!」(夜の民家 部屋に入っていく)夕食後。仲村君は パソコンに向かって宿題?とおもいきや・・・(いま、なにをやってるんですか?)仲村君「今は、ヤギの散歩の仮編をしています。(全部自分でつなぐの?) はい!」

すでに30本もの作品の作ってきた仲村君、編集はお手のもの。完成後は、地域で上映会も開いてきました。この「ガジュマル」という作品は、少年とキジムナーが友情で結ばれて行くファンタジー。

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この映画では、さらに音楽まで自ら作ってます。仲村君「友達になったキジムナーが溺れて、それを助けるシーン、かなしいシーンです」

マルチな才能を持つ仲村君、今回初めてのプロとの仕事で、挑戦したかったことは?

仲村くん「プロの人たちへの演技指導です。」(え、やってたよね?)「いつもは友達なんでやりたいことがすぐに伝わるじゃないですか。それがプロだったら難しいじゃないですか。それをやったら楽しいかなって」

自宅には不思議なものがいっぱいです。撮影用の「血のり」。乾いた血と、噴き出す血の2種類あるんです。架空の村の学校の看板や張り紙など、小道具も自分で作ります。

おかしかったのは、音を拾う「ガンマイク」のおもちゃ。ばらした三脚の足にボール紙のマイクをつけて、音声さんの動きを練習していたとか。それを見て不憫に思ったお母さんが、本物のガンマイクをプレゼントしてくれたそうです。

お母さん「迷惑ですね、とても。(笑)」「うちでは本当にやりたいことやるんで、今の機材も片付いているからいいけど帰ってくいるたびにこれが全部出ている状態なんですよ。小道具作りから何からここには絵具は出て    いる、向こうには血のりがあって、見たいな」

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家のホームビデオで、いきなり映画を撮り始めたのが小学校3年。以来振り回されっぱなしというお母さん。友達とロケハンに出かけたまま、迷子になったこともあるそうです。

お母さん「2時間3時間かけてチャリンコで行って、かえってくる頃には真っ暗になって、また電話かかってくる。でもどこにいるのか私にもわからない本人も半べそ状態で」

仲村くん「こんばんわー」仮編集の素材を持って、編集スタジオに入ります。いよいよプロの編集マンとプロの音楽家に音も付けてもらって完成です。

森田さん「家のドリーショット、あれ一瞬止まってるショットだったのわかる?見てみる?たぶん大きい画面で見てないからだろうなって思ったけど。」

編集のもたつきなどを指摘されますが、最後の決定は、やはり監督がします。

仲村くん「はっさみよーナーナーナーで切って、ゆるゆるーして、はいらない」

森田さん「話聞いたら小学校3年、4年からやっていて、下手したら、あれ?編集歴一緒?みたいな。そういう意味ではすごい慣れているんですよね。いろいろやり方も分かってて。」「ヤギが逃げていく中で自然を見せて行くっていう考え方はほかの方はできないですよね、自然をそこで見せるっていう考え方は。」                        

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40余りの応募作品を審査したプロデューサーは、仲村くんのシナリオは異彩を放っていたといいます。

井手プロデューサー「沖縄の自然とか優しい気持ちとかそういうのも多くて彼のだけはまったく違うヤギの話で」「たあくさん読んだ中で、僕は一番これにうるっときたんですよ。(うるっと?)はい。(大変な入れ込みようですね)」「あの楽しそうな感じがいいですよね。あれを見ていると、演出してる時にカメラが回って居る時に彼が一生懸命演出をしている様子がいいですよね。本当にディレクターだなって。」                     

次回作は、また子供だけでホラーの「耳切り坊主」とるそうで現在特殊メイクの勉強をし、切られる「耳」を制作中。撮影は7月末、中学の夏休みに入り次第始まります。