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日本時間のあす未明に行われるアメリカのオバマ新大統領の就任式。

仲井真知事の訪米に同行したQABは、オバマ新大統領の外交政策の顧問を務めるシーラ・スミス研究員の独占インタビューに成功しました。

オバマ政権でアメリカの対日政策はどう変わるのか?そして、新政権の戦略の変化は沖縄にどんな影響を与えるのか?岸本記者のリポートです。

熱狂的な雰囲気の中、まもなく誕生するオバマ新政権。

仲井真知事「米軍基地は沖縄本島の18.4%を占めています」

岸本記者「仲井真知事がワシントンの大学の研究者に対し、沖縄の基地問題について自ら説明しています」

新政権の政策が固まる前に沖縄の声を直接届けようと訪米した仲井真知事。その知事のスピーチに真剣な表情で耳を傾ける一人の研究員がいました。

シーラ・スミスさん。

オバマ新大統領の対日外交政策の顧問を務め、日本政治を専門とする彼女は、新政権の安全保障政策を担うキーパーソンの1人です。

スミス研究員は、ブッシュ政権とオバマ新政権の外交政策の違いをどう見ているのか?

米外交問題評議会シーラ・スミス上級研究員「私は全体的に見て、アジア政策について2つの政権には継続性があると思う。中東政策ほどはっきりした違いは見られないでしょう」

アフガニスタンとイラクで2つの戦争を始めたブッシュ大統領に対し、イラクからの2011年までの段階的な撤退を打ち出しているオバマ大統領。

穏健派のイメージが定着しつつあるオバマ大統領ですが、アフガニスタンにはさらに3万人の兵士を送ると明言。

スミスさんは国内経済の立て直しを常に優先する民主党が対テロ戦争でも日本にさらなる負担を強いると言います。

スミス研究員「日本がNATO軍やオーストラリアと共に、アフガニスタンやイラクで活動することを期待します。それは中東の安定のためだけではなく、テロとの戦いとのためにも必要です。日本は90%以上の石油を中東から輸入しています。そこで何かが起きたら、それは日本だけではなく世界中に影響してきます」

では、新政権の軍事戦略の変化が沖縄の基地に与える影響はあるのか?

スミス研究員「率直に行って、沖縄の基地政策に著しい変化はないと思う。オバマ政権にとって優先事項ではない」

スミスさんはその理由として、現在の中台関係と北朝鮮の情勢を挙げました。

スミス研究員「去年、台湾で親中路線の馬英九政権が誕生した。この馬政権と中国との直接外交が始まり、両国の緊張が緩和している。ここは沖縄にも非常に近い。また、北朝鮮の動きも(地下核実験を行った)2006年と比較すると、少しおさまっている。つまり(沖縄の基地周辺で)アメリカ軍は以前のような緊張状態にはない」

また、環境政策も重視するオバマ大統領が、環境や生態系保護の観点から新基地建設や再編計画を見直す可能性はあるのかと質すと、スミスさんはその可能性をきっぱり否定しました。

スミス研究員「日米両政府は1995年の少女暴行事件以降、沖縄における米軍の存在をどうやって減らすかを10年〜15年に渡って協議してきました。普天間基地の移設は日米の強固な同意でまとまったもので、アメリカ政府の最優先事項でもあります」

また、在沖アメリカ領事館のメア総領事もこう釘を刺します。

メア総領事「安全保障政策は超党派な政策である。だから政権が代わっても基本的な政策が変わるとは思っていない」

沖縄に関する政策に大きな変化はないと異口同音に繰り返すアメリカ政府。

しかし、今回の訪米で仲井真知事が日米地位協定の抜本的な見直しを求め、アーミテージ前国務副長官が「運用の改善で十分」と突き返したことに話を振ると、スミスさんはこれまでの政府関係者や有識者とは違う見解を示しました。

スミス研究員「例えば、韓国では政府間の継続的な交渉によって韓米地位協定に韓国の法令を尊重する環境条項が新設された。私は日本政府が地位協定の改定を米政府に要求して、協議を前に進めたら、見直しも可能だと思う」

日米地位協定の見直しの可能性を認めたオバマ新大統領の側近。

仲井真知事はこの6月にも訪米する予定ですが、地位協定の影響を最も被る県民の代表として、今後も粘り強い交渉が必要といえます。

オバマ政権の政策に影響力を持つ人物が地位協定の改定の可能性を認めたということは非常に大きな意味があり、これを現実的に目に見える形に変えていくのが知事をはじめとした政治家や政府の責任です。

知事の6月の訪米までにはまだ半年、時間があります。

次の訪米を今回のような意見交換や要請だけではなく、実のあるものにするためには、具体的な改定内容を政府間の交渉にまで引き上げていく努力が必要です。