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タクシー強盗 憲兵隊兵長の男を書類送検

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3月16日、沖縄市で起きたタクシー強盗事件で憲兵隊兵長の男が書類送検されました。書類送検されたのは、アメリカ空軍嘉手納基地所属の憲兵隊兵長です。

憲兵隊兵長は16日深夜、沖縄市中央の路上ですでに逮捕・送検されているアメリカ軍兵士の息子らと共謀してタクシーを襲い、現金8000円を奪った疑いです。

県警は容疑が固まったとして15日、那覇地検に書類送検しました。

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3月16日、沖縄市で起きたタクシー強盗事件で憲兵隊兵長の男が書類送検されました。書類送検されたのは、アメリカ空軍嘉手納基地所属の憲兵隊兵長です。

憲兵隊兵長は16日深夜、沖縄市中央の路上ですでに逮捕・送検されているアメリカ軍兵士の息子らと共謀してタクシーを襲い、現金8000円を奪った疑いです。

県警は容疑が固まったとして15日、那覇地検に書類送検しました。

複雑すぎる地位協定

ここからは岸本記者に入ってもらいます。岸本さん、これでようやく憲兵隊兵長の身柄が日本側に渡ることになるわけですね。

岸本記者「日米地位協定では4年前から殺人や暴行事件などの凶悪事件に限らなくても日本側からの求めがあれば、容疑者の身柄は日本側に渡されるようになっています。今回は日本側、県警がアメリカ軍から十分な捜査協力が得られているとして求めなかったわけです。ただ、この地位協定、日本に駐留するアメリカ兵の地位を守るための協定があまりに複雑なため、新たなトラブルが起こりました」

『事件は日曜日の午後、人通りの多いアメリカンビレッジの中でおきました。店から逃げ出すアメリカ兵の息子を店員4人で取り押さえたということです』

店員「その時(容疑者が)はいていたジーパンの下に店のジーパンをはいていて、スタッフが駆けつけたときには体全体で暴れていた」

岸本記者「おととい北谷町美浜の衣料品店にアメリカ海兵隊員の子ども16歳と17歳の息子2人が来たんですが、ジーパンやTシャツなどあわせて2万7000円相当を盗んだということでその店の店員に現行犯逮捕されました。それから20分後にアメリカ軍の憲兵隊員が現場に駆けつけ、憲兵隊は2人の身柄を拘束し、その後に来た県警の警察官の事情聴取をさせないまま2人に手錠をかけて基地内に連行していきました」

地位協定上の問題はないんですか?

岸本記者「日米地位協定では『日米両国の法律執行員が犯罪の現場にあって、軍人や軍属、またはその家族を逮捕する場合には、合衆国軍隊の法律執行員、つまりアメリカ軍の憲兵隊が逮捕するのを原則とする』と日米合同委員会の中で規定しているんですね。でも、今回の事件では店員がまず日本の法律に基づいて現行犯逮捕していて、対応について地位協定に詳しい専門家の間でも解釈が分かれています」

キャスター専門家でも意見が分かれるということは、地位協定にかなりあいまいな部分が残されているということでしょうか?

岸本記者「そういうことです。そういう部分があるからこそ、日本の警察は2月の少女暴行事件の後に話が持ち上がった日米共同パトロールについて否定的だったということもあります。つまり、どちらが主導権を握るのかをはっきりしない場合、すべて憲兵隊が身柄を押さえてしまうんじゃないかという懸念が今回、現実のものになったという訳です。でも、基地の外で少年が万引きをして店員に捕まった訳ですから、やっぱりそれは常識的に言って日本の警察の取調べを受けるのが自然な流れだと思います。その当たり前のことが、あいまいで複雑な地位協定によって当たり前に出来ない現状が浮き彫りにされたケースです。きょうの外務省への要請でもあくまで協定の改正については否定しています」