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沖縄は今、梅雨の真っただ中。つい昨日も宮古島市でレベル4、土砂災害危険警報が発表され、そして先週は台風6号が本島を直撃しました。

大雨への警戒は、まだまだ続きます。そこで今日は「大雨などの災害から命を守る」こと、そして「防災意識を高めること」をテーマに、心強い方をお迎えし、解説していただきます。沖縄県の危機管理補佐官、吉田英紀さんです。よろしくお願いします。

吉田危機管理補佐官「よろしくお願いします」

吉田さんは、かつて福岡県の飯塚市で、平成30年の西日本豪雨の際に、現場で指揮にあたった経験があるそうですね。

吉田危機管理補佐官「はい、大雨による河川の氾濫や土砂災害によって、広島県、岡山県、愛媛県などで200名あまりが犠牲となり、各地で大きな人的、物的被害がありました。飯塚市でも中小河川の氾濫による洪水で多くの家屋が床上、床下浸水の被害を受けました。また通勤中に道路が陥没し、車ごと転落して重傷者2名がでましたが幸い亡くなった方はいませんでした」

災害から命を守る 防災意識を高める

人的被害が少なかったのは幸いでしたが、どのような対策をとられていたんでしょうか?

吉田危機管理補佐官「はい、今後発生する被害を予測し、早い時期から危険地域に住んでいる、およそ2万人に対し、避難指示を発表しました」

「ところが出足が鈍く、避難所に集まった人は当初100名ほどでした。そこで雨が小康状態になったタイミングをとらえて、当時の市長に直接防災行政無線で避難を呼びかけてもらうようにお願いしました。今まで、防災行政無線から市長の声が流れたことはなかったので、市民に『これはただ事でない』という危機感が伝わり、避難者は一気に10倍に増加し、最終的に避難所には約3,000人近い避難者が入りました」

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「また市では、平常時に避難行動のリーダーとなる地域防災リーダーを養成していました。そして市の防災担当職員も各自治会に赴き、地域の防災活動の支援を行い、避難のタイミングや、避難場所、避難ルートなどを住民と確認しました」

「さらには全員参加の義務教育において、子供たちの成長の段階に応じた防災知識、状況判断能力、避難行動力を指導し、子供たちを避難のリーダーとして育ててきました」

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市長さんの直接の呼びかけ、そして平時からの準備が役立ったということですね。

吉田危機管理補佐官「そうですね、私たちは災害に直面した時、過去の経験をもとに『これぐらいの雨なら大丈夫だろう』などと判断しがちです。しかし、このところの地球温暖化などの影響で、これまで経験のない規模の災害がいつ発生してもおかしくない時代になっているのだと思います。したがって、過去の経験の無い子供たちは避難のリーダーとして最適なのです」

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なるほど、その避難に関連して「判断のものさし」ともいえる、警戒レベル相当情報が先月、気象庁によって新しく発表されましたね。

吉田危機管理補佐官「そうですね、これまでとの違いは、災害の種類が4つに分類され、それぞれの災害の警戒レベル相当情報が明記されたことです」

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「災害の種類は洪水、大雨、土砂災害、高潮の4つに区分されました。沖縄県は1級河川といわれる大河川がありませんので、大雨、土砂災害、高潮の3つの情報が発表されます。沖縄を流れる川の危険度は大雨の情報で示されます」

「避難情報のキーワードは2が黄色で注意、3が赤で警報、4が紫で危険、5が黒で特別となります。皆さんのとるべき避難行動の判断は、この情報と市町村から発表される避難に関する情報である、警戒レベル3高齢者等避難、警戒レベル4避難指示、警戒レベル5緊急安全確保に基づき、今いる場所の状況を踏まえて避難を行うこととなります。そして市町村から警戒レベル4が発表された地域の方は全員安全な場所にとどまることが必要となります」

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「先日の台風6号、その後の熱帯低気圧の接近時による大雨で、県内でレベル4相当情報の大雨危険警報や土砂災害危険警報が発表されました。沖縄では台風の場合、割と避難意識が高いので、事前に避難するなどの対策をとる方が比較的多い印象です」

なるほど、県民のみなさんは台風に対する意識が高いということですが、台風以外でも「線状降水帯」の発生などに伴う大雨というのが多くみられるんですが、どのような備えが求められますか?

吉田危機管理補佐官「はい、お伝えしたいことは3つです。一つめは、お一人おひとりが、避難は『自分ごと』として備えること『自分の住む場所は、どんな災害が起こりやすいか』『いざというとき、どこへ、どの道で逃げるか』これをご家族で一度、口に出して決めておく。『知っているつもり』を、『決めてある』に変えておくだけで、動きがまるで変わります」

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しっかりと自分で調べ、備える、ということですね。

吉田危機管理補佐官「はい、まさにそこが二つめです。ふだん、平時のうちにこそ、市町村を頼ってください。ハザードマップは役場で手に入りますし、地域の防災訓練や説明会も行われています。平時の行政は、皆さんのために大いに『使う』ものなんです。いざ災害が起きたその瞬間は、話が逆になります。道路は寸断され、職員も限られる。行政の助けが、皆さんのところまで来てくれるとは限りません。『その時』に行政を当てにして待っていては、間に合わないということも十分考えられます」

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「平時に行政を頼る」ことが命を守ることにもつながるんですね。

吉田危機管理補佐官「そのとおりです。だからこそ、三つめ『地域の人のつながり』なんです。沖縄には、ご親戚や自治会、区の集まりといった地域の人のつながりが多くあります。防災の面から見れば、これは非常に大きな財産です」

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「ふだんの集まりに、防災の要素を少しだけ足してみてください。『大雨のとき、うちの地区はどこへ逃げる?』『一人暮らしのお年寄りには、誰が、いつ声をかける?』こうした地域の組織のことを自主防災組織というのですが、沖縄では組織率がとても低いんですね。その可能性があるのに、低いのはとても残念なことです。自分で備え、平時は行政を活用し、そして地域で支え合う。この3つこそが、いちばんの防災だと思います」

「沖縄は過去に悲惨な戦争を経験し、多くの方が犠牲となりました。『命は宝』の精神で、災害で犠牲者を出さない、という気持ちで取り組んでいただきたいと思います」

災害に対する一人ひとりの意識改革、そして地域で今日からできる備えをして、犠牲者を出さないことが大切ですね。沖縄県、危機管理補佐官の吉田英紀さんでした。ありがとうございました。

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